スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

きらきらひかる 江國香織  感想とレビュー 性について考える 同性愛をしったかぶるな

200308-19.jpg

夏に読んで、号泣する準備はできていたの記事の後に書こうとしていながら、なんだかんだで時間が過ぎてしまいました。
しかし、34ヶ月経ても心に残るものは残るので、今回はそれについて書きます。
今年の新潮文庫の100冊、限定スペシャルカバーの一冊としてこの本とは書店で出合いました。長く美術をやってきましたが、このような不思議な紙はとても珍しかったです。一見普通の白の紙かと思えるのですが、光の加減によってきらきらひかる。題名そのままなのですね。
内容はアル中で精神を病んでいる笑子とその夫睦月。睦月はホモで、男性の恋人もいて、しかし笑子とのセックスはなしという奇想天外な夫婦。
小説はこの二人の夫婦が10日前に結婚したという語りから始まります。
中途では様々な問題がこの夫婦を襲います。睦月の恋人の男性を家に招いたことによる変な三角関係。職場の人間関係。それからなんといっても大変なのが両方の両親です。
睦月の両親は息子のことを理解したうえで結婚してくれた笑子に対し負い目を負いながらも、精神病であることに動揺を隠せません。笑子の両親は、自分の娘の婚約者がホモで正常な人間ではないということが信じられません。特に父親は、睦月に男性の恋人がいることを理解できずにてんやわんや。
こんなにたくさんの問題を抱え込んだ二人がどうやってそれを乗り越えていくのか、ここが見所となるわけです。
作品の中で描かれている例えば、誠実さ、友情、恋愛など、江國さんなりの鋭い視点で観られたこれらに対するまなざしには我々も共感される部分があると同時に、人生の指針、なにかを私たちに教えてくれるものだとも感じれます。
生、性と愛について、なるほどこうした見方、捉え方もあるものだと感じれるちょっぴり変わった恋愛小説です。

あとがきにありますが、このタイトルは入沢康夫さんの詩から。
   キラキラヒカル
キラキラヒカルサイフヲダシテキ
ラキラヒカルサカナヲカツタキラ
キラヒカルオンアモカツタキラキ
ラヒカルサカナヲカツテキラキラ
ヒカルオナベニイレタキラキラヒ
カルオンナガモツタキラキラヒカ
ルオナベノサカナキラキラヒカル
オツリノオカネキラキラヒカルオ
ンナトフタリキラキラヒカルサカ
ナヲモツテキラキラヒカルオカネ
ヲモツテキラキラヒカルヨミチヲ
カエルキラキラヒカルホシゾラダ
ツタキラキラヒカルナミダヲダシ
テキラキラヒカルオンナハナイタ

最初はなんだこの読みにくい詩はと感じましたが、よくよくごらんあれ。先頭の文字だけを、あるいは最後の文字だけを読んでみるとそこにもメッセージが。
よくこんなすばらしいものが作れるものだと感心しますね。
この小説も、こうした言葉の芸術や、あるいはセザンヌの自画像などの芸術作品を交えて美しい恋愛物語になっているわけです。
今となっては、この小説自体が小さな芸術作品のように見えてきます。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

幽玄

Author:幽玄

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
201位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
15位
アクセスランキングを見る>>
フリーエリア
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。