2月 鑑賞目録

総評
一月はなぜかものすごく本を読んだ月だった。岡本裕一郎先生の『フランス現代思想』(2015)という最近の本が、アマゾンでおすすめされていたので、フランス現代思想をいちどきちんと勉強したいと思っていたのでぽちっとしたら、これが度ストライクで僕の好きな分野だった。そのいきおいにのって、一月は現代思想の本を読み漁った。特に仲正昌樹先生の本は、ゲロがでるほどわかりやすくおもしろすぎて、合計で5,6冊買って読んでしまったのではないか。
仲正先生の本を読んで一番私が影響を受けたのは、資本主義も嫌いだし、安倍も嫌いだしということで、かなりド左翼的な言説を繰り返していた私だけれども、右ではないのだけれど、左をきちんと批評した仲正先生の本を読むことによって、私のなかで左がだいぶ相対化された。一度、この人はすごい、この人の意見は聞くべきだとなるととことん納得する性質である。仲正先生すげえ、となったら、彼の左批判も一度取り入れる。そこで私のなかで左への相対化がされ、まあしかしそうはいっても結果として左翼であるのはしかたないとして、だが、単にド左翼的な言説を繰り返すのではなく、きちんと左翼もこういうところがダメなんだよと相対化したうえで、左翼をやるようになったので、以前よりすこし大人になったかもしれない。少なくとも、左翼ダメだね、という意見に対して、感情的に、骨髄反射的に怒ったりするような状態からはひとつ上の状態に移行しただろう。
二月は、ふとしたことからまたアニメを見る月に替わった。
やはりアニメと本と、この二つを同時にこなすのは難しい。それぞれにかなりの時間と体力と気力が必要だからだ。
一月は本を読みまくったので、その反動か、二月はアニメ三昧の日々だった。
まずは最近のアニメ、ご注文はうさぎですか、通称ごちうさというもので、私は最近のアニメよくわからないアニメ中世オタクなんだけれども、バイト先の店長がおもしろかった、女の子が可愛かったといっていたので、話のタネにもなるなと思って風邪をひいて死んでいる時に何もすることもないので一気に全部見した。
もともとが四コマだったのかな?中学生か高校生くらいの女の子たちが、メルヘンチックな世界のとある喫茶店でなにごともない日常をただ平凡に過ごすというアニメであった。けいおんをさらにメルヘンチックにしたような感じだった。徹底的に異性(この場合男性)を排除し、そうすることによって性的役割としての女性を負うことなく、第二次成長期を迎えまいという幻想の中に籠っているようで、私にはちょっと耐えられなかった。宮台真司が90年代くらいにいった、まったりした日常を具現化したみたいで、真綿で首をしめられているような感じがして私には苦手だった。登場する喫茶にかけていえば、砂糖をいれすぎたあまったるいコーヒーのようなアニメといえる。
それをおもしろいと思ってる店長ごめん!実年齢はめっちゃ若いのに、感性めっちゃ古いから、内面おじさんにはこの作品の良さはわからんかったわ、残念。
その後機会あって、ふと前々からサブカル批評では目にしていたけれども実際には見たことがない作品、幾原邦彦監督の『少女革命ウテナ』を見た。最初二十話くらいなかなか進展遅くてつまらないなあと思ってたけど、最後の十話くらいすごいね。特に最終話の感動は、話しの内容がよくわからないのにもかかわらず、めちゃくちゃ感動した。殻に閉じこもっていた少女は、結局世界を革命することができずに、破れてどこかにいってしまったんだけど、でもその革命する途中で、救おうとしていた人物を救うことができ、今度はその救われたアンシーによってこれから救われるのではないか、という希望の物語でしたね。
で、その後幾原監督すごいということになって、2011年の『輪るピングドラム』も鑑賞。
こちらはエヴァよりもさらに解釈のしがいがある作品ではないだろうか。私はいずれ大学教員になりたいなと思っているけれども、担当するサブカルの授業で、この作品を一年間か半年間かけて見て、解釈する授業をしたいなと思った。それほどにこの作品は作品として解釈に耐えうるだけの力があるし、そこに描かれている内容が「現代」を反映していると思われるからだ。
で、あとはこれまたふと選んだ『銀河英雄伝説』を二月の後半はずっとみていた。なにせ百話と長大である。かなりの時間を要した。これも、バイト先のオタク先輩がものすごく好きだということがわかり(まあ今40前後のオタクの人たちはいい意味でも悪い意味でも教条的なところがあって、現代のニューオタくとは異なりいろんな作品を見ることを自分に課していたから知っているだろうという算段があり、話しをふったわけだが)、熱く語り合っている。最初50話くらいまで、ダンバインやボトムズ、マクロス、イデオン、ガンダムのようなアニメっぽいアニソンが好きだったので、エンディングの小椋佳、ぜんぜん合わないよ、と思っていたのだけれど、布施明が好きすぎて知っていた「歓送の歌」と「宇宙の架け橋」がどんぴしゃすぎて、今では毎日聴いて歌っている。
特にここ最近私はこんなに苦しいのならば生きたくない、産んでくれなければよかった、私が望んでこんな世界に生まれたわけではない、とつねづね思っているし、実際辛すぎてそれを父母にぶつけているのであるが、そんななか、「宇宙の架け橋」では、こんな歌詞が流れる。
「確かに勝手に 産み落とされた命 意味も価値も 与えられない儘に」「確かに勝手に 楽しんでいい世界 欲に押され 突き進むのも自由」
まあ後半のそんな人とか呼ばれる命は、過去から未来人への橋渡し、宇宙の架け橋なんだよ、という主張は私にはあんまり魅力的ではないのでどうでもいいのだけれど、とにかく前提として、勝手に産み落とされて、生きる意味も価値もないのだ、という状態、だから、自分勝手に生きてもいいんだよ、という前提、そこに私は感動したのである。
そういう前提なしに、なんとなく生きるのは僕は欺瞞だと思うね。そして本来人間はどこまでも自由な存在なのだ。普段私たちは社会という枠にとらわれ、そんなことを忘れているけれどもね。
まあ、先のことは先のことだ。自殺する勇気もないのだから、このまま生きる苦しみを味わいながら不平不満をこぼしながら生きていくしかない。とにかく今は今の自分と環境を認めること。それからどうすれば少しは楽になるかを考えて、行動して、ゆっくり着実に生きていくしかない。
そんなことを思う一月だった。

書籍
安倍修二、伊藤元重『吉野家で経済入門』(日本経済新聞出版社、2016)
石川 美子『ロラン・バルト -言語を愛し恐れつづけた批評家』(中公新書、2015)
アニメ
『ご注文はうさぎですか?』(12話、2014)
『ご注文はうさぎですか??(第2期)』(12話、2015)
『少女革命ウテナ』(39話、1997)
『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(1999)
『輪るピングドラム』(24話、2011)
『銀河英雄伝説』OVA110話(1988年-1997)
『わが征くは星の大海』(わがゆくはほしのたいかい)(劇場用映画・60分)1988年
『黄金の翼』(おうごんのつばさ)(OVA・60分)1992年10月
『新たなる戦いの序曲』(あらたなるたたかいのオーヴァチュア)(劇場用映画・90分)1993年

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