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富増章成 『深夜の赤信号は渡ってもいいか?―いま使える哲学スキル』 感想とレビュー

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 ややタイトルはキャッチャーなところがあったのは否めない。内容がタイトルの想起させる感じと必ずしも一致しているとはいいがたいが、良書ではある。

 本書は名予備校講師の富増氏の書籍である。『空想哲学読本』という本に出合って、一人意気投合した私は、即座に彼の本を読み終わると、他の書籍を買い求めた。はじめてヤフーオークションというのを使用して、1円の本を買った。便利な世の中である。書店に行って、どうせ置いていなくて、しばらくやってくるのに時間がかかって、さらに取りに行く、という煩雑な行為がほとんど中抜けしている。そのおかげで本屋はつぶれるので、バンザイとは言えないが、しかし楽である。
本書はどういう内容かというと、哲学史のわかりやすい解説といったところだろう。
 各章のタイトルは、キャッチャーな表題のように、第二章 タバコを吸うべきか、やめるべきか? 第三章 運命は決まっているのか、自由はないのか? といった感じで進む。
 だが、第一章の深夜の赤信号は渡ってもいいか?という問いには、この本では答えていない。そこがタイトルがキャッチャーだと私が批判する理由なのである。もちろん、本書の内容に照らしてみれば、カントの定言命法に従えば、わたってはいけない、ということになるのだろうし、ベンサム等の功利主義的な考え方によれば、状況を判断してわたっていい、ということになるだろう。
 だから、結局結論などでないような問題が問題になっているわけで、この本のなかでは特に解決されるものではない。

 この本は『空想哲学読本』とは異なり、たとえをつかっての説明というのは少ない。2012年に発売されているから、かなり新しい書籍である。たまに取り扱われる例として登場する作品は、どれも現代人が分かる作品になっている。が、この本は、『哲学読本』がなかばオタクたちの本であったのに対して、この本は一般読者を想定した本と言えるだろう。
ただし、どんなにわかりやすいといってもやはり難解な哲学である。そう簡単にはわからない。ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど、大学の授業でも聞いたところはわかるが、その人物、哲学について勉強したことのない箇所は、やはり本を読んでいてもよくわからない、というところは残る。
 ただ、私の読み方が悪かったのか、頭が判然としていなかったのかわからないが、後半部分は非常に明解に、はっきりと理解することができた。この人はニーチェの専門家と言ってもいいと私は思っているのだが、とにかくニーチェの解説が絶品なのである。
 私は今までどの哲学解説書を読んでもニーチェについて理解することができなかったが、この人のニーチェ解説によって理解することができた。おそらく原点にあたっていないから、その理解はごくごく表面上のものでしかないだろうとは思うけれども・・・。ニーチェの解説部分から後半のほうが私にはすらすらと頭にはいってきた。

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