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「はだしのゲン」をめぐる表現規制についての一考察

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 「はだしのゲン」をめぐって様々な問題がありました。ある授業でその問題についてリポート課題が課されましたので、その際に作成したものを多少わかりやすくして、掲載します。

1発端・経過
 発端は2012年ある市民から松江市教育委員会に寄せられた陳情だった。「市教委化暗部らは、旧日本軍の洗浄での行為にかかわる描写について問題視。同12月と今年1月、小中学校の各校長に閉架措置を求めた。」 8月、閉架措置が朝日新聞・朝刊で大きく報道された。その後、表現の自由を擁護する立場や、思想の抑圧、検閲になってはいないかという論が新聞やインターネット上で盛んに叫ばれた。それに呼応するかのように市教委はわずか十日で制限の要請に「手続きの不備があ」ったとして閲覧制限を撤回した。これで一件落着したと思われたこの問題であるが、問題が騒がれていたころから図書館司書の問題についての言及があり、また下火となった現在においては産経新聞が内容不適切として閉架措置を再び強く主張している。その結果、歴史認識をめぐる問題や左か右かというイデオロギー間の対立問題にも発展しつつある。(429字)

2私の意見
 結論から述べると、私は「はだしのゲン」に閲覧制限を設けてはならないと考えている。読売、朝日新聞等は問題を慎重に扱いつつ、内容の激しさ、また不適切さを認めつつも全体としてはそうした歴史観の排除をすべきではないとして、検閲に反対している。日本経済新聞社は前二社より、検閲であるとして自由に読ませるべきだと論を強めている。それに対して、産経新聞であるが、もはや開架にすべきか閉架にすべきかという論を超えて問題となった10巻の表現を指摘しつつ「三光作戦」はなかった 、「日教組の反日的なイデオロギーがふんだんに盛り込まれ、日教組の教師によって学校に持ち込まれた」 テキストだとして、10月11月にかけて極めて強い語調で「はだしのゲン」そのものが教育現場にあってはならないとしている。
 経過の部分に記したが、この問題は開架にすべきか閉架にすべきかという問題から大きく逸れて、今やそれぞれの社の右か左かというイデオロギーの対決になってしまっている。特に産経新聞は最も右翼的で、自分達の考えにそぐわない考えを排除しようという気概のようなものまで漂わせている。
 ポストモダン、多様性の重要視される現代においてはそのような考えはどうだろうか。もちろんそのような考えもあってしかるべきであるが、排除しようという暴力的な言動は良くない。この問題は本質的に左か右かという論にすり替えられる危険性があるため慎重に取り扱わなければならない。
 私は「表現の自由」とともにそれを知る権利を侵してはならないという基本的な人権に則って、開架にすべきであると考える。だが確かに描写は刺激的であり、小学生に適切だとは言い切れない。そのため、これを教材として生徒に強制的に読ませるのではなく、読む準備のできた生徒が自分の力で読むようにすべきだと考える。(748字)

 最近は、めっきりテレビも新聞も目を通さなくなってしまいました。いけないことだなと思いながらも、文学や映画などの作品にあたりっぱなしで、現実の問題に対して目を向けていなかったなという反省はあります。今回は、情報のリテラシーを教える授業を受けていたということもあり、様々な新聞の比較なども初めて本格的にやってみました。
 そこで驚いたのが、今迄新聞はもう少しまともで、中立的な報道をしているだろうと思っていたのですが、そんなことはない。これが情報を伝える人間の仕事かと目を疑うような酷い記事が多々みられ、私は本当にびっくりしてしまいました。読売新聞や朝日新聞はまだ比較的良い方です。しかし、これらの社の記事のなかには、ごくわずかですが、右や左といった思想が感じられなくはない。
 特に「はだしのゲン」の問題は、単にグロテスクや性的な表現という表現問題を通り越して、戦争をどうとらえるのかという歴史観の問題までを内包した、複雑で大きな問題です。これが単に性描写やグロテスクさの問題だけであれば、話しも簡単だったのですが、戦争が絡むと、どうしてもややこしくなる。
 とくに酷かったのが、産経新聞。もう、これはとても記事とは言えません。まるで小学生が書いたような内容です。問題の核心はこの図書をどうあつかうかという点に関して、閉架にするか開架にするか、その参考になるのが表現の規制、知る権利の侵害になっていないかということだと私は思います。他の多くの社の新聞や記事でもそのように捉えられているのが多いです。が、産経新聞は、書かれている内容がすでに誤りだとして、論点をずらしたうえで、単なる誹謗中傷をしているのです。歴史の問題については難しいですが、産経新聞は「三光作戦」などなかったと論断しています。
 私は歴史についてはまったく門外漢なのですが、本当にそんなに簡単に「三光作戦」はなかったと言い切れるのでしょうか。
 私には、大の大人が顔を真っ赤にして、怒り狂って主張しているだけに見えますが、本当のところを見極めていくためには、常に冷静で、もしかしたら自分が間違っているかもしれないという反省の心を大事にして見つめて行くことが大切だと思います。 




引用資料
「閉架」で萎縮する恐れ 学校図書館「はだしのゲン」問題の本質 .2013-09-04,朝刊,文化1面,聞蔵Ⅱビジュアル,http://database.asahi.com/library2/main/start.php.(参照2013-11-26)
【解答乱麻】元高校校長・一止羊大 問題の核心に蓋をするな,2013-11-16日,東京朝刊 オピニオン面,産経新聞ニュース,http://webs.sankei.co.jp/search/page.do?mode=2&paperNo=1&publishDate=20131116&newsId=201311161000049d4d&keyword=%82%CD%82%BE%82%B5%82%CC%83%51%83%93, (参照2013-11-26)
検証「はだしのゲン」閲覧制限問題 「閉架措置は当然だ」「語り継ぐべき作品」,2013-09-24,東京朝刊,社会面, 産経新聞ニュース,http://webs.sankei.co.jp/search/page.do?mode=2&paperNo=1&publishDate=20130924&newsId=20130924100001e72c&keyword=%82%CD%82%BE%82%B5%82%CC%83%51%83%93, (参照2013-11-26)

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