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宵山万華鏡  感想とレビュー まるで狐につままれたよう どうか宵山にはお気をつけください

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京都の代表的なお祭りに宵山があります。山鉾巡行の前日、16日が「宵山」と呼ばれるそうです。
この祭りなんと何万という人が京都の町中にあふれごった返しもいいところ。中には一方通行になる道も出るそうで、迷子続出の大お祭り。そんなお祭り宵山を舞台としたのがこの小説宵山万華鏡。
森見氏といえば京都の不思議を書くことも得意としています。きつねのはなし、有頂天家族に続く京都ミステリーの傑作だと思います。
この小説、表紙もかわいいし万華鏡なんてなまえが付いているし、なんだか楽しそう!と思っている女性諸君(男性諸君には興味がない)、ちっとも楽しくない。面白いには面白いが、むしろ怖いと表現するほうが適切でしょう。
一見華やかに見えるお祭りでも、実はそのすぐ裏には人間の力を遥かに超えた現象が起こっていたりする。そんな怖さを味わえますよ。
万華鏡って本当に綺麗ですよね。いつ見ても美しいと感じられるし、一旦見始めるとなかなか目を離すことができなくなる。でもよく考えてみたら、この光景は自分にしか見れないし、そしてもう二度と同じ光景を見ることができないというこわさも実はあるのですよね。
人々心寄せられる祗園祭宵山、しかしそこはもしかしたら万華鏡のような世界なのかも知れません。
宵山姉妹では幼い姉妹がバレエ教室の帰りに、宵山をちょっと見てみようというところから物語りは始まります。絶対に手を離してはいけないと思ってはいたものの、怖い坊さんにばったり出くわしたときに手を離してしまう。人々でごちゃごちゃになっている中、姉妹は再び出会えるのか。そして楽しそうに遊ぶ金魚のような赤いひらひら浴衣を着て街をちらちら動き回っている少女たちの存在は。
宵山金魚ではある大学生が京都にいる友人と会う約束から始まります。しかしひょんなことから神聖な領域に立ち入ってしまうその大学生は、なんとそこで祭りの神である宵山様の気に障るような粗相をしてしまう。たちまちにして取り囲まれる大学生、そして目隠しをされた上連れて行かれた奇怪な場所では、宵山様に仕えるという骨董屋、妖艶な女性、白塗りの大坊主、そして最後に待ち受けるは巨大な金魚。果たして大学生の運命はいかに。
宵山劇場ではある大学生が友人にいたずらをしようというところから始まります。なんでもお祭りの神様である宵山様というのをでっち上げ、友人を驚かすために大掛かりなセットを準備。宵山様には巨大な金魚を、その使いのものたちには、ひょろひょろした骨董屋、着物を着た女性、白塗りにした大坊主を配役、なかなか計画が上手く進まないなか、果たして友人を見事驚かすことはできるのか。
宵山回廊、主人公は千鶴という女性。かつて宵山祭りでいとこの女の子と一緒だったのが離れ離れになってしまい、結局今でもその子は見つかっていないという恐ろしい過去を持つ。いよいよその宵山が始まり、用事でいとこの父に当たる叔父の家を訪ねる千鶴。叔父の様子が変である。なんと叔父は自分の娘を、先日の宵山で見つけたというのである。恐怖を覚えた千鶴だが、その彼女もまた宵山の万華鏡の世界に取り込まれていく。
宵山迷宮、主人公はバレエ教室のしたにある骨董屋の主人。父のなぞの死から一年。いよいよ宵山が始まる。そんななか画伯であり、かつて娘を宵山で失った常連がやってきて変なことを言う。そしてそれと前後してある人物から家にある水晶玉をくれないかという連絡がある。そこから彼は宵山の万華鏡に入りこんでしまう。いつおきても同じ日の朝の連続。何日起きても宵山の始まり。何日おきても。その世界から主人公は抜け出すことができるのか。そして父の死の真相は。
宵山万華鏡、宵山姉妹では妹の視点で描かれていた物語が今度は姉の視点から。妹が手を離してどっかに行ってしまったのを探すのだが。白塗りの大坊主や着物をきた妖艶な女性。そして金魚のような真っ赤でひらひらの着物を着た宵山様と人から言われる少女との出会い。宵山様は彼女にあるものを口にするよう何度も誘う。何回も断る姉。恐怖を感じ、その場から逃げ出し妹を追う。見つけたはいいもののすいすい人の間を抜けていってしまう赤い着物を着た少女たちと一緒にドンドン進んでしまい、なかなか追いつけない。果たして姉妹は再会できるのか。
ひとつの大きな祭り宵山を多角的視点で描かれていて非常に面白い作品だと思います。森見氏の超絶技巧文もなければへんな妄想もない。いたって平凡な小説なのですが、なんとも言いがたい逃れがたい力に引きずり込まれるような感覚、もしかしたらもう抜け出せないかも知れないという恐怖がじわじわ湧き上がってきますよ。秋の夜長に読むには打ってつけの本ですが、皆様どうか宵山の世界のなかから抜け出せないようなことにならないでくださいね・・。

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