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東京公園めぐり~都会暮らしにちょっと一息~

 もうすっかり寒くなり、いよいよ今年も残すところあと数日というところになりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は突然寒くなったので少し風邪気味になっておりましたが、なんとか持ち直しました。
 クリスマスも過ぎてしまいましたね。私は佛教大学に通っているものですから、そのようなものには目もくれず。というより、我が大学は数々の月曜の祝日を無視、天皇の誕生日も無視、クリスマスも無視し、23、24、25と通常通り授業を実施するという荒業を成し遂げました。でも流石にクリスマスやイブに大学に来る人間はそう多くはありません。教授たちだってわかってやっているんです。教授は仕事なので仕方がありません。授業を行いますが、別に学生が休んでもそう何とも思わないでしょう。そのような日に授業を実施する学校が悪いのであります。そして24、25なんかに大学に律儀に出ないで、恋人と愉しいひと時を過ごすのが大学生の本分であると、私も思います。ところが、我が文学部国文学科という特殊な学部はですね、文學オタクの巣窟ですから、まず浮世に興味がない(モテナイ)。男も女も垢抜けない(モテナイ)。流石ですよ。私もその例に漏れないのですが、国文学科専門の科目の出席率は相当よかった。私は周りを見回して、友人たちにいってやったものです。こんな日は恋人と一緒にどっかに行った方がいいぞと。

 そんなこんなな生活を最近は送っておりました。ああ、それからもう一つ追加情報で、先日9日にめでたく誕生日を迎えまして、21になりました。二十歳という区切りのいい、また新鮮味も持ち合わせた素晴らしいレッテルをはく奪され、21になりました。二十歳になるまでは毎年の誕生日がとても楽しみに思えていました。ところが、今年の誕生日はちっとも面白くなかった。このままただ老いさらばえていくだけなのか、人並みの倖せもつかめないまま・・・と考えるともうね・・・。
 二十歳というプレミアも失い、だんだん自分の中に見いだせる価値がなくなってきましたが、なんとか生きておこうと思います。で、今日は何を皆さんに紹介したいのかというと、東京の公園めぐりです。前置きが長い!!

 私は東京生まれ東京育ち(途中海外で生活したこともありましたが)なので、田舎に対する憧れというものがあります。おじいちゃんおばあちゃん、父方母方いずれも東京。なので、夏になったらおじいちゃんち行ってくるんだ~みたいな、田園に囲まれた田舎に帰るというようなことが生まれてこの方なかったわけであります。人は結局ないものねだりをするものだと半ば割り切るようになってきましたが、私もこのような都会にずっとおりますと、漠然とこの都会から逃げて田舎に行きたいなと思う気持ちがあります。アニメーション映画をよく見るのですが、例えば『サマー・ウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『ももへの手紙』『虹色ほたる』なんかを見ておりますと、ああいいな、私もこういう田舎に住みたいとこう思う訳であります。
 それにどうも私はいろいろと考えなくてもよいことを考えてしまう悪い癖があり、神経衰弱気味なので、都会で暮らしていくには少し辛いんですね。満員電車、溢れる広告、音と匂いと視覚的暴力。時間の流れも速い。疲れます。で、今回は「都会暮らしにちょっと一息」ということで、私が大好きな公園を少し紹介したいと思います。

 東京には様々な名所がありますが、都市の中に存在する大きな公園というのも不思議なものです。地方の出身の子にこういう話をしますと、自然なんかいくらでもあると一蹴されてしまうのですが、都会空間のなかにまるで別次元のように巨大な公園が存在しているというのは、ただ自然だけがあるということとは意味を別にします。不思議なもので、たった数分で、都市空間から自然の中へと変わるわけです。少し周りに注意をしながら生活していると、都市空間というのはとても断続的で、ある部分ですぱっと途切れていたりするものだなということが発見できます。
 それがいいか悪いかは別として、都市のなかに人工的に自然を作るというのは不思議なものです。自然は自然だから自然なんだと多くの人は思っているかもしれませんが、自然は人工物なのです。人間は本当の何も手の付いていない自然のなかでは生きられないと言われます。実際にそうでしょう。本当の自然のなかで生き抜こうとすればかなり動物的な生活をしなければなりません。ジブリ映画の『おもひでぽろぽろ』は都会育ちの女性が夏の一時を田舎で過ごすという物語ですが、そこで田舎を案内するトシオが次のようなことを述べます。
以下トシオとタエ子のやりとり
「都会の人は森や林や水の流れなんか見ですぐ自然だ自然だってありがたがるでしょうでも ま 山奥はともかぐ田舎の景色ってやつはみんな人間がつくったもんなんですよ」
「人間が?」
「そう 百姓が」
「あの森も?」
「そう」
「あの林も?」
「そう」
「この小川も?」
「そう 田んぼや畑だけじゃないんです。みんなちゃーんと歴史があってね。どこそこのヒイじいさんが植えたとか、ひらいたとか、大昔からタキギや落葉や、キノコをとっていたとか」
「ああ そっか」
「人間が自然と闘ったり自然からいろんなものをもらったりして暮らしているうぢにうまいこと出来上がってきた景色なんですよ これは」
「じゃ 人間がいなかったらこんな景色にならなかった?」
「うん 百姓はたえず自然からもらい続けなきゃ生きていかれないでしょう?うん だから自然にもねずーっと生きててもらえるように百姓の方もいろいろやって来たんです。まあ 自然と人間の共同作業っていうかな、そんなのが多分 田舎なんですよ」


 ここには重要な視点が隠されていると思います。田舎や自然というものは、あくまでもそれ単体としては存在しえないのです。人間や人工という私たちの主観、主体があって、初めて私たちとは別のもの、人間、人工とは別のものという意味でしか自然や田舎という概念は出てこないわけです。すると、自然という概念すらも人間が作り出した人工的なものだと言うこともできます。また反対から考えて、人間だって自然の生き物なのだから、自然の一部ではないかと言うこともできるのです。自然対人間(人工)という二項対比は今まで何の問題もないようにまかり通ってきましたが、本当によくよく考えると、果たしてそんなに簡単に考えることができるのか?ということになると思います。
 東京の公園も、確かにあたかも自然のように自然に作られています。ところが、それはやはりつくられた自然なのであって、本当の自然というわけではない。都会のなかの憩いの場としてあらかじめ目的をもってつくられた自然なのです。だから、確かに憩える。憩いを目的として作ったのですから。私はその人工的な自然もある意味では作品のようでいいものだと思っています。さて、理詰めはここまで、あとは私が好きな公園をのびのびできる度数で紹介していきます。


のびのび度 1

井の頭恩賜公園

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 なんといっても東京で公園と言えば、ここでしょう。デートの定番!私の家からも近いので、出不精で慢性的な運動不足の私にはここにいけばいいんでしょうけれどもね。週末にはミュージシャンやアーティストで賑わいます。ただ中にはちょっと変な人もいるかも・・・。吉祥寺が若者の住みたいまちナンバー1とかなんとかに選ばれてから、(それ以前から結構いましたが)人がどっと増えて、右を見ても左を見てもカップルばかりなので、なんだかだんだん憎しみがわいてくる素敵な公園です。恋人とボートにのると弁天様の嫉妬により別れてしまうという伝説で有名ですね。私はボートには乗りませんでしたが、それでもこの公園でデートしたら見事に別れましたよ。
すぐ近くにジブリ美術館もあります。ただジブリ美術館は完全予約制なので、気を付けてください。灯台下暗しとはこのことで、家から近いにもかかわらず、そしてジブリ映画も研究の対象にしているにもかかわらず、私はまだこの美術館に行っていません!!行かねば!!

代々木公園
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 続いて代々木公園。若者の街、渋谷・原宿の間に位置し、公園内には様々なスポーツ施設があります。イベントも多く催されています。通学途中に当たるので、たまに行きます。隣は明治神宮と隣接しており、地図でみると東京のど真ん中にずいぶん緑っぽい空間があるなと感じます。明治神宮も一周するだけで相当な距離になりますから、休日にお出かけするにはぴったり。明治神宮が静かな雰囲気なのに対して、代々木公園は明るい雰囲気。若者の姿が目立ちます。
 これらの公園は人も多く、のびのび過ごすにはあまり向いていません。そのかわりにぎやかです。

のびのび度 2

上野公園

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 私の大好きな上野公園。私のブログによく来てくださる方はご存知かもしれませんが、美術館に行くのが大好きな私にとって上野公園は庭のようなものです。様々な美術館、博物館が乱立!日本の芸術発信地です。東京国立博物館(愛称東博:とうはく)、国立西洋美術館、東京都美術館、東京芸術大学美術館、上野の森美術館、まだまだあります。広大な敷地ですが、土曜日曜は家族連れが目立ちます。他にもアーティストがやってきたり、大道芸人が芸をやっていたりとにぎやかです。静かな上野公園を愉しみたければ、平日の午後。午前中で仕事や学業が終わったという人は午後を美術館デートをするというのも乙なものです。一人静かに芸術の思索を愉しむのも有り。
 不忍池も隣接しており、夏には蓮が楽しめます。井の頭ほどではありませんがボートもあります。周囲には沢山のお寺があり、これもまた歴史ある見どころの一つでしょう。私は近々上野のお寺巡りをしてみようと思っています。

石神井公園
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 昔住んでいたものですから、思い入れのある公園です。小さいころに父と一緒におでんを食べたのが思い出されます。武蔵野三大湧水池として有名な公園で、都内のどの公園と比べても水の豊かさではひけをとりません。都内では有数の池をボートを漕いで恋人と楽しみましょう。こちらは別れるという伝説はありません。ただ、西武線沿線はこんなことを言ってはいけませんが(すこしさびれていて)、石神井公園も活気がありません。静かに過ごしたいという人には、おすすめですが、少し寒々とした感じになります。


のびのび度 3

小金井公園

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 施設は少なく、のびのびと過ごせます。広大な敷地と豊かな自然。のびのび度3あたりから、広い草原のある公園が登場します。小金井公園は、いわゆる武蔵野の面影が残った数少ない土地。武蔵野の面影を愉しみ、しばし昔へタイムスリップ。
 国木田独歩は我々にこのような言葉を残してくれています。
「武蔵野に歩する人は 道を迷うことを苦にしてはならない。どの路も足の向く方へゆけば 必ずそこに 見るべく 聞くべく 感ずべき獲物がある」『武蔵野』

善福寺公園
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交通の便が少ないことから静かな公園です。普段は地域の人しかいません。毎年春になると桜が咲きます。私の場合井之頭公園に行ってもいいのですが、井之頭の人の嵐といったらもう。それにくらべてこちらの善福寺公園は桜の季節でもまだ比較的すいています。
こちらもボートがあるにはありますが、公園自体も小さいですし、そこまで楽しめるわけではありません。静かに散歩するのには適した場所です。

のびのび度 4

新宿御苑

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 一度行っただけで惚れてしまいました。日本のセントラルパークと呼ばれる新宿御苑。
 皇室の庭園として由緒正しい公園で、約58ヘクタールある敷地内には、イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園、日本庭園と三つも楽しめるお得な公園です。本当に広い!
 入場料200円のため平日は誰もいなくて、貸し切り状態!流石に紅葉の季節、土日などは混雑しますが、平日に行ければこっちのもんです。年間パスは2000円。早く買おうと思っているんですけどね。
 本当に美しい素晴らしい公園です。どちらかというとこちらは庭園、人工的につくられたという面がかなり強いですが。大都会新宿の真ん中に存在していながら、公園に入ればまるで町の喧噪が嘘だったかのように静まり返ります。イギリス式の庭園は広大な芝生が整備されています。流石都営。ここで横になっていると普段の小さなつまらないことも忘れてしまいます。東京の空ってこんなに広かったんだということがわかります。
 フランス庭園では数々のバラが楽しませてくれます。バラって一年中咲いているんですね。いつ行ってももてなしてくれるので、楽しみです。
 日本式庭園は、新海誠のアニメーション映画『言の葉の庭』の舞台にもなりました。この映画以降その舞台を見にくるお客さんが増えました(私を含めて)。
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 新宿御苑は歴史ある庭園ですから、多くの文学作品にも登場します。例えば、川端康成の『山の音』では、主人公信吾が息子の嫁である菊子と半ば密会のような形で出会う重要な場面の舞台になっています。

のびのび度 5

砧公園

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 我が大学からも近く、私が最もおすすめしたい公園№1
 何もないからいい!広い芝生、人も少なく、都会暮らしに疲れた貴方に最適!
 無いものねだりが人生だと最近悟るようになってきましたが、「ない」ということがない状況にあると私は思うのです。物質がすべてを幸せにしてくれるわけではありません。むしろ、物質に溢れた現代では、物質によって人が支配されてしまっています。例えば、車を手に入れた。そうすると車を維持するためには莫大なお金がかかりますし、時には運転してあげなければなりません。このように考えて行くと所持した物それぞれにどんどん時間を費やさなければならなくなるのです。物質的に満たされなくても幸せを感じている人々は沢山います。そして、ものに溢れた我々が失ったものは何かというと「ない」という状態ではないでしょうか。何もかもが「ある」現代だからこそ、「ない」という状態を欲することも必要なのではないかと私は思っています。物質的に私はもう満足しています。これ以上有形のものでほしいものはあまりありません。本はいくらでも欲しいですがね。だから、ものが「ない」状態が私は欲しいのです。
砧公園は本当になにもありません。なので、つまらないと感じる人の方がおおいことでしょう。ですが、私にとっては公園にいってまで、遊ぶものが多すぎる。のびのびできない。それに対してこの公園はただ芝生が広がっているだけ。なので、人も少なく、小さな子供たちも自由に安全に遊んでいます。こういう公園で一日本を読んで過ごす、こんなに贅沢な時間の使い方、生き方があるでしょうか。

 他にも様々な公園があります。地方から来た人でも、東京の公園はただの自然とは異なりますから、観に行くと面白いと思います。まだまだ紹介したい公園が沢山ありますが、何時までも終わらなくなってしまうので、このくらいにしておきましょう。

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今年は度々のご訪問ありがとうございました
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