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反(アンチ)工場見学番組言論に対する反論 つまりは賛成

20120522DSC_0105.jpg

-はじめに-
 2013年5月現在では、工場見学番組に対する批判も下火になってきたのか、ここしばらくはあまり過激な運動を見せない問題ではあるが、工場見学系の番組を私たちがどのように受け取るのか、ここに一考を記しておきたい。
 特に顕著だったのが、2011年ごろから話題を呼んだ「潜入リアルスコープ」や「シルシルミシル」と言った番組である。これらの工場見学を放送する主なテーマに置いた番組の火付け役はおそらく「平成教育学院」などで扱われた問題が最初なのではないかと私は思う。このクイズ番組では、工場での製造過程を見せて、一体何をつくっているのかを早押しで当てるという問題があった。これが意外と難しく、こんな過程で商品をつくっていたのかと驚きに満ち溢れた問題だったのは確かである。この問題からインスピレーションを受けたのかどうかはこの際あまり問題ではないのだが、結果として工場見学のみを番組の内容とした「潜入リアルスコープ」や「シルシルミシル」などの番組が知名度を得て、お茶の間で流されるようになった。ただし、知名度を得るということは、日本人の良くも悪くもある民族性、「出る杭は打たれる」根性をここに遺憾なく発揮されることとなった。工場見学系の番組に対するアンチの動きがネットを中心に広がったのである。

-反(アンチ)工場見学番組-
 工場見学系の番組に対して嫌悪感や不安感を募らせている方々の言論はこうだ。
例のひとつとして、こちらのブログを挙げさせていただく。これは決してこの方を攻撃するという意味合いではなく、広く世間一般の方々の考えを代表していると思われたため、例として挙げたまでである。個人に対する攻撃ではないことを、読者の皆様には心得ておいていただきたい。
http://focuslights.blog102.fc2.com/blog-entry-320.html
 ここでは、メリットに比べてデメリットのほうが大きいのではないかという、至極最もな考えが述べられている。引用する。

普段あまり見ないような機械から次々生み出される製品。小気味良い景色でもあります。
自分も結構この手の番組を見ていますが・・・
各企業は、宣伝チャンスと捉えているようですが、デメリットも多いと思います。
わたしは、企業は、工場見学系番組の取材を拒否すべきじゃないかと思います。

デメリットの1つは、ノウハウの流出です。
すべて見せます。ということで、製造工程をかなり詳細に放送しているようですが・・・
ノウハウの流出にもほどがあると思います。
同業他社だけでなく、途上国に製造ノウハウが流出し、競争力が損なわれてしまいます。
それは、工場で日々工夫している社員の努力を無にする行為でもあります。
工場を公開することは、製造業の企業価値を毀損すると、経営者は心得るべきだと思います。

第二のデメリットは、製品のイメージダウンです。
特に食品では、バックヤードを見せることは製品のイメージダウンにつながります。
え、こんな汚いところで製造しているの?とか
え、こんな機械だらけのところで製造しているの・・・?
などなど。
先日の森永の工場紹介で、チョコフレークにチョコをかける「チョコフレーク洗濯機」が紹介されていました。が、その機械の脇に、「運転中は手を入れるな」という警告シールと共に・・・

労災発生
2005年10月27日
回転部接触
手指 骨折、脱臼
チョコフレーク製造機械で骨がボキボキ砕かれたかと思うと、チョコフレークを食べたく無くなってしまいます。

-反(アンチ)工場見学番組に対する反論-
 筆者はデメリットを大きく2つ挙げてこうした番組に対して批判している。一つはノウハウの流出である。ただでさえ、現在日本のトップ企業、特に電気メーカー系の大企業が中国や韓国の格安の企業に太刀打ちできず、倒産の危機に瀕するという大変な状況になっている。これらの原因は、労働者の賃金という問題もあるが、技術の流出が行われたということも大きい。日本で定年退職やあるいはそれ以前でリストラされてしまった人々を、中国、韓国は高い資金を支払ってヘッドハンティングしたのである。日本の企業はすでに世界に対してその名を轟かせているので、あまり冒険には出ない。これは日本人の性質的な面もあると思われる。しかし、それに対して中国や韓国の企業というのは、失敗など恐れずに、開発できた機能はすぐに搭載してみるという冒険に出ている。韓国では、すでにタブレット端末が学生に一人一台配布されており、携帯から家の電化製品のコントロールもできるような発達を見せている。
 特に情報化社会と言われる現在において、知識や技術の流出というものは、気を付けても気をつけすぎることはないほど重要な点だと思われる。こちらのブログの筆者の意見は、そうした知識や技術の流出が行われるべきではないという批判である。私はこれに対してさらに反論をしてみせよう。確かに技術、知識の流出はゆゆしき事態だが、この番組から奪われる知識や技術はないと私は思う。そもそも本当に見せてはいけない部分は見せないように加工されているし、機械や工程を見ただけで盗めるような知識、技術であれば、とっくに外国でも開発されていておかしくはない程度のものだということになる。流出してはいけない知識・技術というものは、例えば現場で10年間培った能力とか、そうしたものである。いくらこの番組で放送された映像を一生懸命研究して知識・技術を得ようとしても、それは限界があろう。そうして、たとえそこで盗まれたとしても、それは見てわかる程度の知識・技術でしかないのである。であるので、こうした工場見学系の番組から、日本の重要な知識や技術が流出するとはとても考えられない。
 例えば何かその商品の製造過程において重要なマシーンが放送されるとする。もちろん、本当に重要な部分は目に見える場所にあることは通常ないし、またたとえそれがカメラで捉えられたとしても、それを放送するとはとても思えないが、仮にその重要な部分が放映されたとしよう。これを他の技術者たちが、盗もうとすると、この映像から一体なにが盗めるのだろうか。なるほど、こうしたシステムであることはわかった。しかし、そのシステムを実現するだけの機械を創らなくてはならない。そうしてもし、そうした機械がつくれたとする。しかし、ただ見ただけで作れた機械というのは、おそらく見なくても作れたのとほぼ同義だろう。たった数分間の映像を見て、まねできるような機械というのは所詮はその程度でしかない。これは、最初から見なくても作れたということと同じ意味である。なので、これが決定的に重要な情報の流出であるとは結論づけられないのである。
 第二の問題は、企業のイメージダウンである。なるほど、筆者はたまたま写ってしまった、事故が起こってしまったという証拠を挙げて、はなはだ気分を害されたようである。確かに、これは私も気分を害する。そのようなステッカーは恐らく、その現場で働く人たちの安全を守るためにも多少強調して貼られているものだと思う。だが、それをお茶の間で流してしまうというのは問題ではないかという意見である。私もこれ対しては賛成である。これは単なる放送事故以外の何物でもない。その部分はモザイクをかけるなり、上手くカットするなりしなければならなかった番組側の責任である。
 ただ、このイメージダウンという意見は、たまたま写ってしまった事故の証拠を反論の的にしているように思われる。そうしてその的が、単なる放送事故であったのは明確なので、放送事故を非難しているということだけのように思われる。漫然と工場が汚いというのは、単なる個人の感想であり、工場が汚いことが放送していけない理由にはならないので、この意見には説得性に欠ける。食べ物をつくる場所が汚いから嫌だという意見は確かに生理的には理解できる。ただし、昨今は「きたなシュラン」なる番組もあり、汚いから放送してはいけないとは言い切れないだろう。また、工場の汚さというものは、無機的なものであるからそう印象を受けるだけということが多く、雑菌云々の点では、おそらく無菌に近い状態だろう。

-終わりに-
 これまで反工場見学番組の言論に対して反論してきたのであるが、確かに一理ある部分はある。また、日本人の性格からしても、すべてを「見せる」という行為はあまり日本人の性格を考えても受け入れられることではない。日本の文化は「見せない」文化である。見えない、見せないという部分に美的な感覚を持っていた日本人からすると、この工場見学の番組はあまりにも明け透けなように映るのであろう。また、工場見学番組を嫌悪する理由として、番組全体で何か一つの企業、商品の宣伝をしているようで嫌だという意見もある。これはもっともである。ほとんど予算を要らない安上がりな番組だと感じられるのも確かである。
 しかし、それにもかかわらず、こうした番組が人気を得ているのには理由があるように思われる。確かに、隠して見せないということは我々の有する美意識である。そうして、この番組はまるで何かの商品を宣伝しているかのようでもある。ただ、我々もまた反省すべき点はないだろうかと私は思う。
 それは現代社会のこの消費大国の状況である。コンビニにいけば、24時間なんでもそろっている。ものは安いものを買って、すぐに使い捨てる。商品の開発はすべて企業や工場まかせ。ものごとを大量に消費するので、大量に生産しなくてはならない。となると、人力ではとても追いつかないので、必然機械に頼らざるを得なくなる。機械に頼れば人間の生活からどんどん離れて行くので、どのようにして商品がつくられているのかわからなくなる。私たちは、今現在使っている商品が一体どのようにしてつくられたのか全く考えることなく生活している。果たしてその現状は何も問題のないことだろうか。野菜に生産者の顔写真が載せられるようになったのは、やはり私たちが口にするものは一体どんな人がつくったのかを知りない、見たいという感情からではないだろうか。今私たちが使っている携帯にしろ何にしろ、一体それがどのようにして作られているのか、まったく興味関心がないというのは、一種の病気であるように感じる。すなわち、自分が使用しているものがどのようにして生産されたのかを知ろうともしないということは、ものを大切にしていないということでもあるのだ。いくらでも代替可能な商品だと思うから、商品を大切にせず、どんどん消費していく。そんななかで、私たちが使っている商品は一体どのようにしてつくられたのか、知りたい、見たいという感情は、ある意味この消費社会に対して人間的な側面が発揮された結果だろうと思う。
 私は自分が使っているものがどのようにして作られたのかを知ろうともしない方が、問題があると感じられる。そのものがどのようにしてつくられたのかを知ることによって、ものを大切にするように考えるべきではないだろうか。大量消費のこの時代に、工場見学の番組を見たいという感情が高まってきていることは、非常に良いことだと私は感じられる。なので、この工場番組を否定することはできず、むしろ奨励すべきことだと私は思う。

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No title

こんにちは,そういちといいます。
工場見学番組には,そんな論争があったのですね。私も基本的には工場見学番組にたいし肯定的です。さまざまな技術をこらした製造の現場を,その担い手が公開し,それに多くの人たちが興味を持つ社会は,創造的で善良なかんじがします。その昔,中国の王朝では,当時の新技術だった機械式時計を宮廷の奥に秘蔵していたそうです。一方,中世のヨーロッパでは多くの町に時計台が建てられ,すぐれた時計には遠くから見学者が訪れたといいます。そんなことを思い出しました。

Re: No title

そういちさんこんにちは。コメントありがとうございます。
論争というタイトルを付けたのはちょっと大げさだったかもしれませんが、出る杭は打たれるというか、工場見学の番組がはやればネットではそれなりに叩かれるものなのですよね。それが悪いことだとは思いません。やはりどんなに全員が良いと思っていても、反対意見の出ないことは良くないのだという考えもありますからね。
社員を養っていかなければならないというような理由もあり、技術の出し惜しみをしたり、隠したりすることもわかります。反対に社会に還元すべきだというのもわかります。この中間をずっと行ったり来たりしていくのが歴史というものなのかもしれませんね。

No title

2013/8/24のシルシルミシルさんデー を見ていたら、
はごろもフーズの甘夏みかんの薄皮剥きが紹介されていました。

塩酸で繊維質を分解してから、水酸化ナトリウムで中和した後・・・
残ったスジと種を人力で取り除くとのこと。

なんと、そこでは手袋をせずに、みかんに素手で触れていました。

そういう映像を見ても、あなたはみかんの缶詰が食べたくなりますか?

工場で働く人に情報保護の誓約書を書かされるのは何でなんだろう?
工場見学なんかよりライン働く人の話のほうがリアルなのに。

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