偉大なるしゅららぼん 万城目学  感想とレビュー 日本の神様の概念

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以前約束していた通り「偉大なるしゅららぼん」を読みました。万城目先生の最新作にして最大傑作と帯に書いてあります。京都近辺を舞台としている万城目氏の今回の舞台は琵琶湖です。日本には八百万の神が言われるといわれます。中国などには龍などの神がよく登場しますね。今回は水の神、琵琶湖の神秘的な力を描いた小説です。古来琵琶湖にはその湖の神の力を授かった二つの家がありました。主人公はその片方の日出家の分家の息子。人の心を操る力を修行するために本家の石走に行くことになります。本家の嫡男淡十朗というのがこれまたクセのあるもので、その土地での絶対的地位を利用して自分のしたいことはとことん貫く。そして古来より因縁深き相手棗家の嫡男である棗広海が同じクラスに!伯父の淡九朗は校長に棗家の人間が高校を受験したら即座に落とせと釘をさしていたのにもかかわらず、校長の急病によりその目論見は失敗。長年怨み合っていた両家の人間が同じクラス内に。そしてこの両家を襲う恐怖の事態に積年の恨みを超えて両家は結束、立ち向かうことができるのか?
先ずしゅららぼんてなんじゃということですよね。万城目氏は鴨川ホルモーからそうでしたし、また小説の中にもありますが、日本語は擬音化しやすいといっていますし、実際彼の小説に出てくる擬音語の量はかなり多いです。何故日本語が擬音語を多く所有するか、私は一重に日本語がひらがな、片仮名という音節文字(ひとつひとつの文字が音節を表す文字体系のこと)を有している言語だということと、音に対する興味関心、それを言語化してみようというやる気があったからだと思っています。
例えば擬音語は漫画などを見ると莫大な量が使用されていますよね、そこでもっとわかりやすいのが他の言語、例えば英語などに訳された日本の漫画を読み比べてみる。他の言語にもある擬音語はきちんと訳されていますが、結構訳せなかったのか、英語の漫画なのに日本語の擬音語が残っているってことからもよくわかりますね。
理屈はここまでとして、万城目氏の小説にはこの擬音語が欠かせないというわけです。小説の感想はというと終盤が少し微妙かなとも思いましたがまあまあのできだと思います。こんなふうに言うと随分えらそうで、ならお前も書いてみろといわれたら一溜まりもありませんがね。中盤まではなかなかスリリングで面白かったんですが、ハッピーエンド(になるのかな?)に近づけようとした結果少々無理が生じたように感じました。いっそバッドエンドにしてしまっても斬新さがあってよいのではないかということですね。よく、人間よいことよりも悪いことの方が記憶に残るって言いますよね。だからバッドエンドにしておいたほうが作品の評価も上がったのではないかなとも思います。個人の見解としてはやはり「鴨川ホルモー」が一番面白いですね。これは本当に傑作といっても過言ではないと思います。こんなすばらしい作品を出してしまってからではなかなか自分を超えることが難しいとも感じますが、どうかこれからも執筆活動を続けより面白いものを出して欲しいです。

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「偉大なる、しゅららぼん」万城目学

高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある日出本家にやって来た日出涼介。本家の跡継ぎとしてお城の本丸御殿に住まう淡十郎の“ナチュラルボーン殿様”な言動にふりまわされる日々が始まった。実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ棗家の長男・棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がる…! これまで京都、奈良、大阪が...

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奈良県の次にお気に入りの作品になりました。
滋賀県の情景が浮かんでくるようなストーリーでした。
登場人物のキャラがみんなよかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
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