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ゲーム『俺の屍を越えてゆけ』考察 ~3~ ストーリーを追う、昼子を中心として

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-ちりばめられたストーリーを追う-
私も一度プレイしただけでは判然としなかったのですが、ストーリーのネタバレをしているサイトはたくさんありますので、ストーリーを知りたいと言うかたはそちらをご覧ください。簡単に追っていきますと、物語冒頭で語られる一人の恋におちた天女というのは片羽のお業のことです。このお業が、天界から下界におりて人間の男と子供をもうけました。ちなみに天界と下界を分け隔てたのは、不老不死の術を持ちえたかどうかという問題です。ゲーム内で言及されますが、かつての人間で、不老不死の術を何らかの方法で獲得した人間が天界に上がったと言うことが述べられています。ですから、天界にいる神と呼ばれる存在たちは、もともとは人間とそうかわらない存在と考えることもできます。もちろん長い時間の末に人間をはるかに超える技や術、生命を獲得しているわけですが。
このお業と男の間に生まれたのが後の太照天昼子と黄川人です。この作品をプレイする上でもっとも重要なのが「朱点童子」というキーワードですが、この「朱点童子」、このゲームのなかでは黄川人が定義づけしています。このゲームをプレイすると「朱点童子」はすなわち黄川人が入れられていたあの赤い鬼かなとも思われるのですが、実はそうではないのです。朱点童子とは、黄川人の定義によれば、神と人間の間に生まれた子のことを指します。
ですから、間違いなく黄川人は朱点童子です。すると、実は表面化されてはきませんが、黄川人がちらりと発した言葉のなかで、一番目の朱点童子というものは、ほかでもない太照天昼子のことをさします。ですから、最初の朱点童子は太照天昼子ということになります。朱点童子と特別に名前が付くのにはわけがあり、人間と神との間に子供が生まれると、なぜか神を超える強い存在が誕生するという設定があります。もともと不老不死の術をみつけた人間が神になったのですから、その神と人間が交合するとどうして神よりも強い存在になるのか少し解釈がむずかしいですが、こう考えることができます。不老不死とは、種としては完全になることを指します。死ぬことがなくなるということは、生殖機能が必要ではなくなるということです。死ななければ子孫を残さなくてもよいということに論理的に考えればなります。しかし、それが人間と交わると、(ここで生殖機能を失ったはずの神がなぜ人間との間に子供をもうけられるのかという問題が最大の矛盾ですが)ただでさえ最強の存在が生殖によって増えることが可能ということになってしまいます。当然神たちはそれぞれ単体ですから、一族レベルの神と同等の集団ができてくれば、そちらのほうが強くなるわけであります。
なぜ個体レベルで神よりも強くなるのかという問題は謎ですが、そういう設定なのだと飲み込んでおきましょう。両方の遺伝子をもらうことができるためということでしょうか。

さて、物語も終盤になると二番目の朱点童子であった黄川人も、生命の危機を感じてか次第に言動に余裕がなくなってきて、物語の本質をさらけだすようになります。黄川人は、天界の神々が自分を討伐させるために、三番目の朱点童子を造った、それがお前たち主人公一族だといいます。黄川人の「朱点童子」という定義によれば、主人公一族は、お輪と源太の子供の一族で、お輪は実は天女でしかも黄川人の母お業の双子の姉ですから、朱点童子ということになります。
そうして、この第三の朱点童子を第二朱点童子討伐のために意図的につくらせたのが、第一の朱点童子であった昼子ということになるのです。見方によっては、スターウォーズが壮大な親子喧嘩であるように、この作品も、昼子と黄川人という姉弟の壮大な喧嘩であるということもできます。少しフォーカスを広くすれば、昼子と黄川人と主人公は従姉弟ということになりますから、壮絶な家族ぐるみの戦いと考えることもできます。

-昼子の視点-
少し話がそれました。ストーリーを追うと、お業、男、昼子、黄川人の家族は、天界にとっての大問題となりました。神たちが何故神と人間の間に生まれた子供にとてつもない力が宿ることを知っていたのかは謎ですが、昼子と黄川人をこのまま野放しにしておけばいずれ自分たちをも超える存在となるだろうと予測した神々たちは意見がわれました。これは出典が不明なので憶測にすぎませんが、いろいろなサイトを見ていると、神のなかには革新派と保守派ができたそうです。昼子に追放された神々たちが保守派だったということが根拠らしいですが、この保守派は二人が若いうちに殺してしまうべきだと主張したらしいです。この時まだ昼子は人間として地上にいますから、天界にはいません。革新派が唱えたのは、新しい力をもったこの二人を人間の王として、人間をまとめる存在にしようとしたということになります。ただ、どちらがおこなったかはわかりませんが、結局は朱点童子たちは人間によって滅ぼされてしまいます。
神の御神託がどちらの派閥によるものかわかりませんが、神の子だという評判がひろがったこの家族は、大江山にひとつのコミュニティを形成して生活していました。多くの人間がその信託を信じて、彼らを神だと祭り上げていたようです。しかし、時の帝は当然自分たちよりも大きくなっていくおそれのあるこのコミュニティが気に食いません。帝が勝手に動いたのか、それとも帝のほうにも神の信託があったのかはテクストからはうかがい知れませんが、帝は大江ノ捨丸らに討伐対を組ませてお業一族を滅亡させます。この際に、大江ノ捨丸はお業の夫を殺し、お業を捕獲。昼子を殺します。昼子はまだこの時は、イツ川です。その魂が天界に上り、神になった際に、人間として死んだはずの肉体に神の力によって魂の一部が残り、それがイツ川として独立した存在になったようです。イツ川の肉体が、死んだときの肉体そのものなのか、それとも生まれ変わった別の肉体であるかは不明です。
当時の展開は夕子が天界のリーダー的存在で、彼女は昼子を後見人として立てることからも革新派だったようですから、おそらくお業一族が神の子であり、まつるようにと信託を出したのは革新派でしょう。お業一族を無きものとしたい保守派が、革新派に内緒で帝に殺すようにと信託をだしたとするとつじつまがあいます。
朱点童子として生まれているので力が相当ある昼子は、殺されると神として天界に上がりました。ここで、突然やってきた昼子を嫌ったのが保守派の神たちでしょう。昼子は、夕子の娘ではありません。あくまで後見人という形式なので、そこに惑わされる人が多いようです。突然神となった昼子、しかし、当然ながら新参者に対して保守的な神の多い天界は彼女に対してつめたかったことでしょう。おそらく昼子が殺された朱点だと知っていたのは夕子くらいなのではないでしょうか。昼子が朱点だということがばれると、保守的な神はきっと昼子を封印なりしようとたくらむはずです。夕子は昼子に自分の名字である太照天を授けます。夕子はおそらく昼子を不憫におもい、人間のリーダーとなりえなかった彼女を天界のリーダーにするために自分の地位を譲ったのだと考えられます。
赤猫お夏は、もともと由緒正しい天界の神の一族。おそらくこれもまた保守的な神の一員だったのでしょう。いきなりでしゃばってきた昼子をよく思わなかったのは、お夏に原因があるのか、それとも保守的な神によって殺されたことを許しきれていない昼子がお夏たちを無碍にしたのかは、卵と鶏の論でしょう。昼子は実質の天界のリーダーとなると自分たちを殺させた保守的な神を天界から追放します。もちろん自分を殺したからとは言えませんから、いろいろな理由を付けてです。お夏はその荒々しい気性を利用して放火させ、追放。雷電五郎と太刀風五郎は人間に神の術である火と風の操り方を教えたため幽閉とありますが、これも革新派の夕子であれば許していたはず。やはり彼らもまた保守的な神の一員だったため、昼子によって封印されたのではないでしょうか。

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No title

五郎兄弟はイツ花達が生まれるよりもずっと昔に、無断で人間に火と風の使い方を教えた罪(人間達が殺し合いを始めるきっかけを作った罪)で、九重楼に幽閉されています(なので、天界の派閥争いからは 最も縁遠い神様です)。
そこで昼子は五郎兄弟に対し天界へ戻る恩赦を出す代わりに、一族を鍛えるようにと話しを持ち掛け、ゲーム本編に至ります。
元々体育会系の気のいい兄弟なので、どんどん強くなっていく一族の事は 恩赦云々に関係無く 気に入っているようです。

この辺の裏設定や派閥争いの構図は 公式指南書の世界観解説で、桝田さんご自身が説明されています。

昼子について

こちらにも書いちゃいます(笑)
昼子についてですが、リメイク版では裏京都にて彼女と闘えるようになってますね。
黄川人の言葉から、京の鬼を裏京都に封じ込めるために、天界最高神である自らと、鬼にもっとも恨まれている主人公一族を餌に大江山に閉じ籠ったと。
まあ黄川人の言う通り、実はただの暇つぶしだったのかも知れませんが…自分はもっと別の思惑があったのではと思います。
ここからは私の妄想に過ぎませんが、

昼子の本当の目的は、結果的に利用してきた主人公一族達と自らを闘わせる事により、一族への贖罪と、神をも越えた力を持ってしまった一族を裏京都に避難させて自ら滅ぶつもりだったのではないかなと。

黄川人が言っていた「僕を運良く倒せたとして、次に消されるのは誰かな?よーく考えてごらん。」という台詞から、黄川人を倒した後、恐らく主人公一族は天界の神々によって滅亡させられる予定だったのかと。
そうなると第二の朱点の乱の勃発です。
きっと昼子はそれを防ぐ為に裏京都に一族を閉じ込め、一族に自分を殺させるつもりだったのでは?
(裏京都へ手引きしたのは黄川人ですが、どうも後の台詞から昼子と繋がってた感じがプンプン(笑))
まあゲーム上では昼子は何度倒しても死なないですが(笑)

以上が私の妄想です。
裏京都での昼子の話とか、天界に朱星ノ皇子として昇天した黄川人の話とか、自分のブログ「往来―all right―」でいずれ書いて見たいですね。

Re: 昼子について

綾野晶さん、非常におもしろい考察、ならびにコメントをありがとうございます。
なるほど、主人公一族もまた、力を持つことを恐れた天界の神々によって滅ぼされることが決定していたのではないかという指摘、鮮やかです。そこまでは私も気が付きませんでした。
そして続編がでるという情報も、ありがとうございます。私は知りませんでした。
私はあとあとからやった人間なので、このゲームが発売された当初の社会情勢をはっきりと覚えていない世代なのですが、当時のことを感覚としてわかっている方のコメントはとても参考になります。

今後も粗末なブログですが、どうぞよろしくお願いします。
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