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オノマトペへの試論 5 オノマトペ的要素の考察

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オノマトペは、畳語のほかに、オノマトペのもと+オノマトペ的要素が、その典型的な形をつくるに至っているということを指摘しました。ここではそのオノマトペ的要素、すなわち「り」「っ」「ん」「ー」についてもう少し細かく見て行きましょう。それぞれの指摘は、全て小野先生の論文によります。
先ほど挙げた「ら」は、ほかのものと異なります。古いオノマトペに付くことが多いようなので、歴史的な研究になってしまうようなので、ここでは割愛します。

先ず、「り」から。これは音や動作・状態などをひとまとまりのものとして表現するもののように思われます。
「うっかり」「きらり」「ことり」「さらり」「どかり」「ぷかり」のような例を見てみますと、動作・状況などがひとまとまりになっているという感じがします。これはその一連の動作が起こった後、ある程度落ち着いたニュアンスがあることに気がつきます。どれも継続的なニュアンスはあまりなさそうです。

次に、「っ」。文法的には促音といいます。「語中にあって次の音節の初めの子音と同じ調音の構えで中止的破裂または摩擦をなし、一音節をなすもの」(広辞苑)です。簡単に言えば息を止めたように聞こえる音です。その発音の仕方からも想像できるように、音や動作・状況などがあるところで瞬間的な区切りが付くということを表現しているもののように思われます。
「ばんっ」「さっ」「むっ」「きっ」などのように、元々瞬間的なものを表すのが典型的な例です。「きーっ」(ブレーキ音)「だらーっ」「わーっ」これらは、比較的継続性のあるものでも、「っ」が最後にはいることにより、そこで一区切り付くということを表しています。どちらにしても、区切りのニュアンスが含まれるのです。

「ん」は文法的には撥音。「日本語の語中または語尾にあって、一音節をなす鼻音」(広辞苑)です。はねる音とも呼ばれます。
「かたん」「がつん」「どぶん」「ぶらん」「ぼとん」などを例に挙げてみますと、はねる感じが少し出ているようにも思われます。「り」が一つの動作の終了的ニュアンス、「っ」が動作の区切りであるならば、この「ん」は音や動作・状況などが取り合えず終りはするが、その結果が残存したり、余韻が残るということを表現しているように思われます。とくに「ーん」という伸ばす音が入る場合は、そのニュアンスがより一層強化されます。「かきーん」「がらーん」「どすーん」などは、その残存・余韻のニュアンスが強まっているのが分かるでしょう。ですから、この余韻の残る意「ん」の使用法には、区切りの「っ」がその後に来ることはないということになります。「かきーんっ」というのは、多少不自然な感じがします。しかし、「ん」のもつ余韻や残存のニュアンスよりも動作が終了する点を重要視した場合は、「からんっ」「かきんっ」「がつんっ」のような表現がなされます。この場合はある動作が勢いをもって終了した感じがします。余韻も少し残るように感じられます。

次に「ー」は、音や動作・状況などがある程度続くということを表現するものになります。「しゅー」「ぬめー」「どろー」などは、その状態が続いているように思われます。ただ、この「ー」はその後に「り」「ん」「っ」が付くことが多く、その場合は「じわーり」「とろーん」「かちーん」「しゅーん」「がらーっ」「でれーっ」のようになり、ある程度続くといっても、最後に「っ」などが来ると区切れ、終了しているイメージもあります。

引用
以上の「り」「っ」「ん」「ー」の関係を、その相互の結びつき方に注目してまとめると、下の表のようになります。つまり、「もと」には、その下に第一段階として、「り」「っ」「ん」「ー」の四種類が普通付きうるが、「っ」が第一段階で付いてしまうと、そのあとには何も付くことができないことになります。「ん」もそれに近いのですが、「っ」だけは第二段階で付くことができます。第一段階で、「り」と「ー」が付いた場合は、第二段階で、それぞれ「っ」「ん」「ー」、「っ」「り」「ん」が付くことができます。この場合も「っ」がつくと、そのあとにはもう何も付けることができません。第二段階で「り」「ん」「ー」が付いた場合は、第三段階でさらに「っ」をつけることが出来ます。そして「っ」が付いたら、それ以上はなにも付きません。すなわち「っ」が最もオノマトペを断ち切る力が強く、「ん」がそれに次ぎ、「ー」がほぼ「っ」「り」「ん」を必須に要求するというところから、最も断ち切る力が弱いということになります。オノマトペのもとを根本にすえて、このような整然とした造語が行われていたのです。
もと・段階  Ⅰ  Ⅱ  Ⅲ
もと     っ
       ん  っ
       り  っ
          ん  っ
          ー  っ
       ー  っ
          り  っ
          ん  っ

最後にオノマトペのもとを畳語にするものは、音や動作・状況が継続したり繰り返されたりしているということを表現するものになります。

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