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オノマトペへの試論 4 オノマトペを作る

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さて、ここではオノマトペの根源的な部分に迫って行きたいと思います。オノマトペの元来の意味が、古代ギリシャ語で「造語すること・名前を造ること」という意味を持っていたということはすでに述べました。そうして、オノマトペは日本語の擬音語や擬態語を含む上位概念語です。擬音語・擬態語が「ものの音・声などを表した語、音のない仕草や動作を音に表した語」と定義されたとき、裏返して言えば、その定義に反しないように作られた言葉はオノマトペになるということです。
つまり、音のあるなしに拘わらず、その様子や動作を表すために作られた言葉はオノマトペになりうるということです。
最も典型的なオノマトペを考えたとき、例えば「カンカン」とか「トントン」と言ったものが思い浮かびます。こうした同じ言葉の繰り返しは、文法用語で「畳語(じょうご)」と呼ばれます。ただ、畳語が全てオノマトペになるかというと、A=BはB≠Aで、そうはいえません。畳語のなかには「我々」のような、単語として明確な意味をもつ言葉が存在します。これらはオノマトペではありません。ただ、オノマトペの一つの要素として、言葉の繰り返し、「畳語」があるのです。
小野正弘氏は、「畳語」について『日本語オノマトペ辞典』のはしがきで、「しらじら」を例に挙げて解説しています。その一部を引用します。
「しらじら」の語源は、いうまでもなく「白々」で、漢字で書かれる場合もあり、その時は、「白(しろ)」という言葉との結びつきが、強く感じられます。また、「夜がしらじらと明ける」の場合は、現実に闇夜がだんだん白くなっていきますから、語源との関わりも、分かりやすく思われます。しかし、「しらじらとした気分」の場合は、実際にmその場が白くなっているわけではありませんので、なにか「しらじら」が、オノマトペのような気にもなります。けれども、これをもう少し深く考えてみますと、ある場の雰囲気について、その状況を音そのものに持っているイメージを用いて表すと「しらじら」となる、というのではどうもなさそうです。
「しらじら」は普通名詞「白(しろ)」の母音が変わった形である「しら」を用いて二次的に造られた語であるということになします。
ここではっきりとすることは、その言葉に明確な意味がないものがオノマトペになりうるということではないでしょうか。「しろ」という言葉は、「白」という意味を持っていますから、「しらじら」は、様態や様子を表すために造られた言葉ではなくて、白を重ねることによって強調のために作られた言葉であったということです。

しかし、だからといって、全く意味のない言葉の羅列がオノマトペになるのかというと、それもまた違ったように思われます。「ガウェハオイウノイガオイヘイア」と適当に打ってみました。ただ、これを見て、誰もがこれはオノマトペだとは決して思わないでしょう。オノマトペは意味の不明確な言葉であっても、ある程度の規則性があるのではないかと考えることが出来ます。最も典型的な型が先ほど述べた「畳語(じょうご)」だったのです。
次に「畳語」以外のオノマトペの典型的な型を見て行きましょう。
キラン ドカーン バン ゆったり くるり ふっくら べりり ぼきん
今、思いつくままにいくつかの「畳語」以外のオノマトペを挙げてみました。どれも典型的なオノマトペといえるでしょう。これらには、よくよく観察してみると、形の上で特徴となるものを有していることに気がつきます。
すなわち「り」「っ」「ん」「ー」「ら」のような要素が、ときには最後に、ときには途中に現れるのです。この要素が、普通の語の要素に加わって、いわば、元の形をこわしてしまうと、オノマトペらしさが高まるのです。
小野氏は、オノマトペのもとがあると指摘しています。オノマトペにはオノマトペになるもとが存在するというのです。そうしてその「もと」に先ほどの「り」「っ」「ん」「ー」「ら」「畳語」等の要素が加わるとオノマトペらしくなるというのです。

例えば「ハラ」という言葉を考えた時、「ハラ」はオノマトペのもとと考えられますが、それにオノマトペの代表的な付属語を付けてみます。すなわち「り」「っ」「ん」「ー」です。すると「ハラリ」「ハラン」「ハラッ」「ハラー」となり、「ハラン」と「ハラー」はあまり見かけずオノマトペとして厳しい感じがします。今度は今つくったものにさらに一度使用した以外のオノマトペ付属語をつけてみます。オノマトペとして自然なものは「ハラリン」「ハラリッ」「ハラリー」、「ハランッ」となります。ハラ一つを考えただけでこのように多くの多岐的な変容が見られます。さらに、畳語と言って同一の単語、語根を重ねて「ハラハラ」とすることも可能ですし、そこからオノマトペ付属語をつけ「ハラハラリ」や「ハラハラッ」のようなオノマトペを作ることも可能になります。日本語には、さらに濁音と半濁音があり、オノマトペのもととなる「ハラ」の段階で「パラ」「バラ」の三種類のもとができあがるのです。これらが先ほどのように多岐的に枝分かれしていくのですから、「ハラ」をもとにしたオノマトペはかなりの量になります。

他に「きら」を考えて見ましょう。「り」をつけると「きらり」です。「きらり」だけであれば、漫画等によく表現されますが、文章のなかでは「きらり光る才能」は少し不自然です。これに「と」を付けて「きらりと輝いた」のようにすれば文章中においても使用することが可能となります。
次に「っ」を付けて「きらっ」となります。これも文章では「きらっと輝いた」か「きらっ、あそこで何かが煌いた」のようにそのまま直接使われるということではないようです。今度は「きら」の繰り返し、畳語です。「きらきら」はもっとも「きら」という言葉が使用されるオノマトペのなかでイメージしやすい言葉ではないでしょうか。「きらり」や「きらっ」と比べると、いくぶん「きら」と光輝く様が継続しているように思えます。「きらり」と「きらっ」も、「きらり」のほうがスピードが緩やかな感じがします。これは個人差があるものですから一概にはいえませんが、どうやらオノマトペの造り方によって、少しずつ意味が異なるようにも感じられます。
「きらきら」の場合は、「きらきら輝いていた」と「きらきらと輝いていた」の差異は明確にあらわすことができません。どちらも文章としてなりたちますし、その差異はほとんどないようにも思われます。小野氏は、「きらきら」のほうが、より目の前で起こっているような臨場感があるのではと指摘しています。
次に「ん」を付けて「きらん」とします。この言い方は可能でしょうか。絶対に使用してはいけないということはできませんが、あまり聞かないオノマトペであることに変わりはありません。ちなみに「らん」で終わるオノマトペのいくつかを挙げてみますと、
からん がらん じゃらん だらん ぶらん ぷらん ばらん ぱらん
等が挙げられます。これらを眺めてみますと、ずっと続く状態であったり、なにか、ある種の余韻が残るようなものであったりと感じることが出来ます。「ぶらんと腕がさがった」「ネジが落ちて、からんと音を立てた」のような例を挙げて考えて見ますと、その様子が確認できます。「きらん」を使用するとすれば、何かか輝きが余韻を持つような効果をだしたいようなときに、ということになりそうです。
夜空に瞬く星々は「きらきら」が一番あっているように思われます。「きらり」宝石が輝くように、「きらっ」は何か刃物などが光にあたってその光を反射した際に、「きらん」は流れ星が流れていくさまなどに使用できるのではないでしょうか。もう一つの例にあげた「ハラ」も同様に、少しずつ同じオノマトペのもとを使用していても、その言葉を変化させる「り」「っ」「ん」「ー」等の言葉によって、少しずつ意味が異なってくるようだということがわかります。
「きらん」を考察すると、現在ではあまり聞かない言い方でも、絶対にいえないのではなく、潜在的には言いうるが、言う習慣がないだけであるというオノマトペは、数多く存在するように思われます。通常では使われないからといって、使ってはいけないということはないのです。「ら」を付けてみますと、「きらら」となります。これはあまり使用されないと思われますが、意外と名詞として使用されている例が多く存在しました。
「きららと光輝く」という言葉の使われかたこそあまりされませんが、固有名詞として、お米や、病院、各施設等の名称に使われているのです。これは「きらら」の言葉のもつイメージが大きな影響を持っているからだと考えることが出来ます。なにか澄んだ輝きのイメージというものが、この言葉からは感じられます。
こうしたことからも、オノマトペの重要性が窺えるのではないでしょうか。
次に日本語の特徴でもある、濁音、半濁音を付加してみましょう。「きら」の場合は濁音しか造れません。「ぎら」としてみると、それだけで「きら」との明らかな差異が出て来たのではないでしょうか。先ほどの例に従って「ぎらり」「ぎらっ」「ぎらぎら」、どれも清音のものよりも、強さや迫力がある光を感じます。例えば少女マンガの登場人物の目が光るときは「きらっ」かもしれませんが、戦闘漫画の敵のキャラの目が光る際は「ぎらっ」でしょう。このように、オノマトペのもと+オノマトペ的要素+清音・濁音・半濁音のように、ひとつのオノマトペのもとからいくらでも分岐がなされていることがわかります。

こうしたオノマトペのもと、+オノマトペ的要素+清音・濁音・半濁音が、日本語のオノマトペ表現を豊かにしているといえるでしょう。英語では、この接尾語はあまりみられませんが、かわりにオノマトペの要素としての接頭語の存在が認められます。ただ、オノマトペのもととなる言葉が少ないこともあり、日本語がいかに豊かなオノマトペ言語であるかが伺いしれます。
また漫画表現などにおいて、オノマトペはさらに変化を遂げます。それは表記方法です。そのことは後で詳しく述べますが、ひとまずここでは、ひらがなに加え、カタカナに変化させるだけでも、また少し印象が変わってくるということを指摘しておきます。「きらっ」と「キラッ」では、その言葉が指す内容に何かしらの変化があるように思われます。

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