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オノマトペへの試論 3 オノマトペの定義・擬音語・擬態語からの視点

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ここでは『日本語オノマトペ辞典』のはしがきの部分を参考にオノマトペについて考えて見ます。オノマトペの定義はさまざまできますが、ここではオノマトペを別の観点からみます。オノマトペは擬音語・擬態語の上位概念後となります。ですから、擬音語・擬態語の定義からみると、より具体的な部分の定義が出来るようになります。
擬音語・擬態語というものの定義は、ものの音・声などを表した語、音のない仕草や動作を音に表した語、のように定義されます。つまり、オノマトペには、その元となるものや事象に、音のあるものとないものとがある、ということになります。
音のあるほうから考えていきます。
ニャーオ(猫の鳴き声)
ワンワン(犬の鳴き声)
コケコッコー(鶏の鳴き声)
ゴーン(鐘をつく音)
トントン(肩をたたく音)
カチカチ(ボールペンをノックする音)
これらの音や声は、人間が口やのどなどの発声器官を用いて出しているものとは異なります。つまり、「あめ」や「そら」という音は、人間が日本語を用いて口の開け方や舌の位置、のどの絞り方などを巧みに組み合わせてだしているものです。
ここでの猫の鳴き声は、猫が人間と同じ発声器官を使って「ニャ」と発音しているわけではないのです。それとは反対に、私たち人間が人間の発声器官を用いて猫の鳴き声に近似的な「ニャーオ」という音の模写をしているわけです。
ゴーンのような鐘の音のほうがより分かりやすいでしょう。ゴーンは間違いなく発声器官など用いられてはいないのですから。本来言葉では表現できない音をなんとか形にしよとしたものがゴーンなのです。そうしてそのように定型化されたオノマトペは文化的に広まり、根付きます。日本語では犬の鳴き声は「ワンワン」ですが、外国では「バウワウ」であったり「サンサン」であったりするのです。
ここで一つ言えることは、これらのオノマトペは人間の発声器官以外から出た音を、人間の声で表現したもので、さらにそれは言語ごとに表現の仕方が決まっているということなのです。また反対から考えて、日本語では猫は「ニャーオ」、鐘は「ゴーン」と教えられることによってそのように聞こえるようにもなるのです。よく動物が人間の言葉を喋るという映像が流されることがありますが、大抵テロップがありそれに紛らわされてしまいます。あのような動画を見る際に、テロップをみずに音だけで聞いてみると、そんなこと言っているようにはとても思えないのです。
ですから、鐘の音がゴーンと表されることを知らなければ、鐘の音を聞かしてどのように聞こえたか発音してみてと言うと全く別のオノマトペを使う可能性もあるのです。
話がずれましたが、オノマトペ一つ目の定義は、人間の発音器官以外から出た音を表現した言葉です。

人間の発声器官以外から出たものがオノマトペになると今定義しました。そうすると人間の発声器官から発音されたものはオノマトペではないのでしょうか。例えば感動詞、「おい」「はい」「やあ」などのひとつひとつの音に分解できる言葉はオノマトペにはなりません。ですが一つ一つに分解されない、
ワーン(泣き声)
オギャーオギャー(赤ん坊の泣き声)
ウーム(考え込むときの声)
ガヤガヤ(多くの人の話し声)
のようなものはどうでしょうか。
声をあげてなく赤ん坊は「オ」「ギ」「ャ」「ー」をひとつづつ分解して泣くことができるでしょうか。考えてみてください。そうして今ウームと考えたなら、それは「ウ」を伸ばしたあとに「ム」といい納めているか確かめてください。これらの言葉は表記上分割できたとしても、それを表記の通りに発音しているわけではないということがわかります。このようなひとつひとつの音に分解できない音声を、人間の声の範囲内で社会的にある一定の言い方に決めたものもオノマトペなのです。
二つ目のオノマトペの定義は人間の発声器官から出した音声でひとつひとつの音に分解できない音を表した言葉になります。

次に漫画などでよく見られる実際に音声としては成り立たないものや、現実には音など出ていないのに、それを音にあらわしたものを見ましょう。
きらっ(ものが光るさま)
ひらひら(はなびらが舞うさま)
バーン(迫力をもって登場するさま)
たらっ(冷や汗が出るさま)
ガーン(感動したり、衝撃を受けるさま)
ぎくり(動揺するさま)
これらの語が表す場面では、上のような音は実際には出ません。テレビドラマなどで、「ガーン」と聞こえる効果音を流すことがありますが、これは文字を使ってオノマトペを書き表せない映像媒体がその変わりとして為した変則的なものであると考えたほうが良いでしょう。これらは従来擬態語と呼ばれてきたものです。事物の容態を表すという意味からきていて、さらに下位分類して「きらっ」「ひらひら」「ぶるぶる」のような擬容語、「たらっ」「ガーン」「ぎるり」のような擬情語のように分けることも可能です。(ただ、厳密には判別不可能なものが多々あります。)
例外は置いておいて、第三のオノマトペの定義は音のないもの、または聞こえないものに対してその状態をある音そのものが持つ感覚で表現した言葉ということになります。
ただ、『日本語オノマトペ辞典』の編纂者である小野氏も述べているように、オノマトペと通常の言葉との差異はもっとも難しくやっかいな問題になるのです。「ざあざあ水を浴びている」は音を伴ったオノマトペであるのかとか、「ピカリ」という言葉。「ひかり」はハ行の言葉ですが、は行は今から千三百年前、奈良時代にはぱ音でした。ですから現在使われている「ぴかり」をつきつめて考えていくと、本当に手放しでオノマトペだといえなくなってくるのです。

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質問なんですが、逆に日本人がいぬの鳴き声がbow-wow(片仮名の発音が思い付かないのでアルファベットで書きました(*_*))と聞こえないのは元々日本語にその発音がないから、ということでしょうか?

Re: タイトルなし

かなり本質をついた難しい質問ですね。私も言語学が専門でないので、確たることが言えないので鵜呑みにしてしまわれると困るのですが、一応の見解を申します。
記号が思いつきませんが、犬がなにかしら鳴いている「・・・」という音を聞いた際に、日本人はここ数百年を通して、ワンワンというように聞こえてくると思った人がいて、それがだんだんと広がって共通認識となってきたのだと思います。おそらく地方に行けば、そのような共通認識の通用しない、ワンワン以外の犬の鳴き方があるのでしょう。
それに対して、英語圏では、bow-wowというように聞こえるという認識がだんだんと定着していったのだと思われます。言葉の誕生というのは、言語の哲学においても最も謎の多い分野ですので専門の先生に聞いてみてもよくわからないことが多いのですけれどのね。
貴殿のおっしゃるように、日本語にbow-wowという発音が定着しなかったのは、bow-wowという発音が日本語では不自然であったと言うことができるのではないでしょうか。例えば、バウワウと仮に日本人が捉えていれば、ワウワウのようになったでしょうね。あとはもう、バウワウとワンワンのどちらが日本人の口の形で発音しやすかったのか、認識しやすかったのかという違いになってくると思います。
答えになっていますかね。申し訳ないのですが、私もあまりよくわかりません。
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