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映画「セブンティーン・アゲイン」への試論 感想とレビュー 人間について、様々な視点から描く

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-初めに-
(原題:17 Again)は、2009年にアメリカで製作されたコメディ映画。『ハイスクール・ミュージカル』シリーズのザック・エフロンが主演した。全米では2009年4月17日に公開され全米初登場1位を記録。
さて、今回はあのザック・エフロンも登場ということで、ハイスクールミュージカルでファンになってしまった女性にとっても注目すべき作品なのではないでしょうか。公開が2009年ですから丁度、ハイスクールミュージカルと前後しています。
様々な作品を取り扱うことによって、感じたことなのですが、ハイスクールミュージカルにしろ、今回のセブンティーン・アゲインにしろ、かつて取り扱った「25年目のキス」にしろ、アメリカ映画というのはハイスクールが取り扱われることが多いです。これが日本とアメリカの高校の雰囲気の違いではないでしょうか。
日本では高校が取り扱われるとき、大抵恋愛が主題となります。このあいだの桐島にしてもそうでしょう。あれは高校の部活を取り扱ったものですが、高校の部活というテーマも日本では好まれる話形です。けいおんにしろ、ちはやふるにしろ、高校の部活動と恋愛というのは日本人好みする話形なのです。
対してアメリカはどうでしょうか。アメリカのハイスクールは、舞踏会があったり、卒業のパーティがあったりと、日本人の高校生とは少し赴きが異なります。日本人が部活動と恋愛にエネルギーを消費するのに対して、アメリカではパーティと恋愛にエネルギーをしようするのです。そのため、アメリカのハイスクールの物語では、学校の中のヒーロー、ヒロインがテーマになりやすい。パーティというのは主要なメンバーがいるもので、それは同時に学校のヒーローヒロインなのです。だからバスケット部のキャプテンがヒーローになり、チアリーダーがヒロインになるのです。
今回はヒーローのお話。

-ヒーロー性といじめ-
高校時代はヒーローであった、マイク・オドネルは、しかし彼女の妊娠をきっかけに重要な試合の途中で抜け出し、別の人生を歩み始めます。そうして30代の現在、彼は負け組みとしてうだつの上がらないサラリーマンをしていますが、それも首になってしまいます。
傷心の彼は自分の娘と息子が通い、かつての栄光が詰まっている高校へ訪れます。そこで白髪の清掃員にであい、その後不思議な変身をするのです。彼はなんと17才の体に戻るのです。
私は最初この映画は、タイムスリップで、自分の17才のときに戻って、もう一度他の道を歩むことによって新しい何かが見えてくるのではないかという映画を予想していました。ところが、この映画では体だけが17才に戻る。
さて、現実の世界でそんなことが起これば、一体どうやって生活していくのでしょうか。そんな色々な事情を一挙に解決してくれるのが、高校時代からの友人ネッド・ゴールド。ネッドは高校の時、いわゆるオタクでいじめを受けていました。しかし、心の優しいマイクは学校のヒーロー的な存在であるのにもかかわらず、いじめる側ではなく、努めてネッドと仲良くしたのです。
そのネッドは何故か大金持ち。プログラムを作ったか何かで当てたというような感じのことを言っています。
そのネッドが昔から仲良くしてくれたということもあって、マイクの手伝いをするのです。保護者を装うことによって、マイクは再び高校に入学します。そこではもちろん彼の息子と娘がいるのですが、そこで彼が目にすることは。

私はこの映画は、性の問題であったり、いじめの問題であったり、人生の問題を深く考えさせる作品だと感じます。ただ、それを実に巧みに隠している。コメディ映画というのが全体のスタンスですから、それは崩すことはなく、深い言及がなされている大変すばらしい映画です。しかも、ストーリーも納得がいく構成。これは皆さんに見てもらいたいさくひんですね。

ヒーローといじめについてですが、学校では、どうしても主要なメンバー(桐島では上と書かれている)、と底辺にいるメンバーとが生まれてしまいます。これは仕方がないことで、いじめもまた発生することなのです。私は苛められたという経験を持つ人間ですから分るのですが、いじめは絶対になくなりません。あって当たり前なのです。むしろいじめがない世界のほうが不健全かも知れないくらいでし。そのいじめの程度が重要になってくるのだと私は考えているのですが、この作品でもそういうことが描かれています。
マイクは高校の時ヒーローでした。そうしていじめられていたネッドに対して、通常ではありえない、ヒーローであるマイクがネッドに対して積極的に働きかけ、救済しようとしていたのです。
しかし、今度は彼が再び学校へ入ってみると、自分の息子がいじめられています。そうしていじめているのはバスケ部のキャプテンなのです。そのキャプテンの彼女はなんと自分の娘。随分奇妙な人間関係ですが、マギー・オドネルにしてみれば、自分の彼氏が弟をいじめているのです。これを止めないのはやはりおかしい。すでに家族関係が崩壊してしまっているオドネル家では、そうした家族間の没交渉性もあるということが描かれています。
これを再びマイクが学校のヒーローとなって自分の娘、息子、それから自分自身の妻との関係をも回復していくというお話。

-性についての言及とオタクへの寛容-
高校という時期は、丁度二次成長期の終わりか、終わった時期に当たります。ですからもう性交渉も出来るし、殆ど大人なのです。そうして大概高校生というのは、自分の大人である証明が欲しくて、しばしば無益な性交渉をしてしまう。その結果、子どもが出来て人生を棒にふるということも少なくないのです。この作品ではそのことについても触れられています。
性の問題です。マイクは人のことをいえないのですが、(というのは、彼自身が高校生の時に彼女のスカーレットと子どもを作ってしまったという経験があるため)、いざ学校へ来てみると、自分の娘がバスケ部のゴリラのような男とキスをしまくっている。授業中にも拘わらず自分の前で娘がゴリラ男とキスをしているのです。
自分の娘が頭脳のない男にそのような行為をされていれば、だれであっても平常ではいられないもの。
作中では性についての授業があるのですが、そこでマイクは大演説をし始めるのです。保健の先生が高校生にセックスを止めるのとは言えないから安全な仕方を教えますというのに対し、マイクは、だめだといって、性交渉は結婚するまでしないほうがいい、大切なパートナーとめぐり合って、赤ちゃんのためにどんなことがあっても守ろうという決心がついてからのほうがいいんだと熱く語ります。そこはコメディ映画ですから、それを聞いてすぐに他の生徒は私もやらないといいだすのです。
ここにはそうした間違いが多いために言及された部分でしょう。それがコメディ仕立てになっているので隠されていますが、しかし重要なことです。
ただ、それに対して自分の息子には、チアリーダーの女の子との恋路が上手くいくように手助けしたりするのです。これは恋愛と性交渉の分別した考えからでしょうか。一寸矛盾しているのではという感じがします。
全体の流れとしても、恋愛はよしとされているよう。息子の恋愛も然りですが、同時に友人のネッド・ゴールドと、ジェイン・マスターソン校長との恋愛も描かれます。

ネッドとジェインの恋愛についてでも最終的に言及されていることなのですが、作品全体として、オタク文化への暖かい眼差しがあります。私の大好きなスターウォーズ、ロードオブザリングなど、古典的な名作へのオマージュがいくつもあるのです。
17才の体になってしまったマイクは当初ネッドに勘違いされて、戦いますが、そのなかで、ライトセーバーを使って戦う場面がある。これは大変面白いです。それにネッドが寝ているのは、エピソード4でルークののっているスピーダーです。
そうして何故かジェイン校長もオタクなのです。二人でロードオブザリングのエルフ語を喋るだす場面は爆笑。二人とも真剣なのです。どこで覚えたのかと校長の質問に、ネッドは通信でならったといいます。私も是非習いたい。
ガンダルフの杖に1万ドル払った馬鹿だという彼のつぶやきも、またこうした作品をしっている私からしてみたら笑いになるのです。

-最後に-
笑いについて少し言っておきたいのですが、こうしたある知識を踏まえた笑いには、当然それを知らない人は全く笑えないわけです。スターウォーズ、ロードオブザリングを見たことがある人でないと、一体何が言われているのかさえわからない。確かにそうした笑いは皆に寛容ではありません。しかし、また万人に分るような笑いになると、その分普遍的なものになり、大概程度の低い笑いになるのです。
ものまねで例えるとわかりやすいのですが、例えばだれだれもものまね。このだれだれを知っていればなるほどすごいなとか、似てないとか思えるわけです。しかし、ものまねされている人物がわからなければ全く面白くもなんともない。ここにものまねをする人間の葛藤があると思うのですが、それは置いておいて。
では誰もがわかるものまね。中川家や次長課長のような、タクシーの運転手や、大阪のおばちゃん、駅員などは誰もがわかるものまねです。しかし、その分、だれかのモノマネよりも、極めて広範囲な対象になるため、正確性や、すごみについても低減してしまうのです。

なかなか解決のしない問題ではありますが、今回の笑いについて、そういった面があったので、少し論じておきました。
映画としては大変すばらしい。是非見てください。最後に上手く収まるハッピーエンドとなっています。女性にとってはザック・エフロンが見れるという特典つきです。

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