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大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年 感想とレビュー ロシアの宝石、まるで400年の時間の旅をしたよう~2~

46、エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン《自画像》
ロココにはいると、フランス革命やらなんやらで世界史は大変な変貌をきたします。近代化へのおおきな変革は強く絵画にも影響しました。ところで自画像ってとことんひねくれて書く人と、美化するひととにわかれると思います。美人だなと思ったら自画像でしたよ。ほんとうに写実的に描いたのでしょうかね。写真がないからなんともいえませんが。私も自画像かきましょう。そうしたら世の中に公表できる。
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50、ユベール・ロベール《古代ローマの公衆浴場》
先日行ったユベール・ロベール展。こっちに貸してあげてもいいでしょうにと思うのですが。だって方やロベール専門の展覧会で、方や代表作ばかりあつめた展覧会でしょ。まあここで観られて逆に新鮮でしたが。相変わらず私が好きなユベール・ロベール。やっぱり、ローマの石の文化というのは美しいですね。町そのものが芸術作品のようなんだもの。これは日本ではできませんからね。廃墟の画家として有名ですが、この作品は活気ある人々の生活の場面を描いたものです。でも彼の得意なアーチ型の門、差し込む光などが特徴的です。
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53、ジョシュア・レノルズ《ヴェヌスの帯を解くクピド》
クピドはキューピットという意味です。今回の展覧会の表を飾る作品です。謎が多い作品です。同じようなのが二枚あるようです。このウェヌスという女性のモデルも断定はできませんがいたとか。このクピドはいったい何故この女性の帯を解こうとしているのでしょうか。そもそもここはどこなのでしょうか。赤いカーテンが掛かっていますからベットなのかもしれませんが、背景が室内には見えないのです。岸壁のよう。そしてなんといったもこのウェヌスの性的魅力です。この手のポーズもこんないやらしい構図は珍しいです。そうして大事な顔の左半分を隠してしまっているのですから、やはり珍しい。片目の訴えかける力はとても強いものがあります。どこかゴヤのマハのような雰囲気を彷彿させます。そしてあらわになった胸。まさしく性の象徴です。どこか妖艶な性がただよっています。ウェヌスは小悪魔的な魅力を感じます。
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58、オラース・ヴェルネ《死の天使》
これは今回の展示会の中で最も印象に残った作品の一つです。なんてきれいな絵なんだと思ってみたらとても恐ろしいものがモチーフでした。死です。ですが、その死の描かれ方が他の死をモチーフにした作品とは大きくことなります。髑髏をいれてみたりとかそういうものではない。死そのものが具現化した天使が態々迎えに来ているという絵です。よくこの死というものを描ききったと思います。画家の力量を推し量れます。死の天使はとても恐ろしい印象を与えると同時にまた、羽の生えていることからも神に仕えるものであることがわかります。しかも天上からの光とともに迎えに来ているのですからやはり、悪魔的なイメージはなく、神的な感情が溢れています。絵の構図も非常に明解ですし、物語性がよく現れています。祈り続けているのはこの天に召される女性の旦那、恋人でしょうか。やすらかな顔をした女性が死というものを如実に語っていると思います。
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62、フランツ・クサファー・ヴァンターハルター《女帝マリア・アレクサンドロヴナの肖像》
第4章、19世紀ロマン派からポスト印象派まで、進化する世紀では今までの写実的な画風のものと並列して印象的な絵が現れてきます。これは王宮画家の作ですから徹底した技術に基づいた写実です。アレクサンドロヴナは1824年の生まれで、描かれたのが1857ですから33歳のころですか。なんの知識もなくてこれを見たときはなんて美しい女性なんだと感じました。全身を白で纏い、清楚さを感じます。ただ、あまりに白すぎる肌はどこか病的なものも感じさせます。ところどころに散りばめられた贅沢な真珠。しかし基調としている白と相まってか、全くいやらしさを出しません。これが女帝ですからね、本当にこんなに美しかったのか、画家によく描かせたのではと疑ってしまいますが、どうなのでしょう。ただ、この女性は絵からかもし出されえるどこか不安的要素をその人生をもって証明しているのです。つまりあまりよい人生とはいえませんでした。
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64、レオン・ボナ《アカバの族長たち(アラビア・ペトラエア)》
ボナはアカデミックな画家です。どうやら実際に現在のヨルダンに行っています。そこでアカバの人々と触れ合い感じたものがあったのでしょう。私はこれをみて、アラビアのロレンスの世界だと感じました。それから私は実はアラブ首長国連邦に4年間滞在していたことがありますから、そうした点でも親近感が沸くのです。ここらへんから、写実至上主義というものはなくなり始めるのでしょうか。とても力強い絵ですが、人々の顔は判然としません。後ろにそびえる岩山も力強く描きすぎているせいか、そちらのほうが強調されているように思われます。
すいません。写真が見つかりませんでした。

65、ジュール・ルフェーヴル《洞窟のマグダラのマリア》
これは最高のエロチシズムではないでしょうか。こんなに妖艶で甘美な、まさしくエロスの象徴をなかなか眼にすることはできません。しかも宗教画ときた。マグダラのマリアは新約聖書に出てくる女性で娼婦です。ですからこれは彼女の改悛前、娼婦であったころの絵ではありませんかね。背景が洞窟ですし、これからことが始まろうとしているような、時間的な連続性とでもいいましょうか、まさしく次の瞬間にはエロスの塊になるという予感があります。精緻な筆使いで描かれていて、赤い髪のはらはらと広がっている姿も性的です。しかし肝心な顔が殆ど隠れてしまっている。ここにチラリズムを見出せます。身体を悶えるようにしてエロスの究極の状態を示しておきながら、顔が見えない、ここに彼女の全てを知ることができない我々の葛藤があるのです。これはキリスト教徒がみたらおこるでしょうね。当時から賛否両論に分かれた作品だそうです。
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71、クロード・モネ《霧のウォータールー橋》
モネのウォータール橋連作の一つ。どうやらウォータールを描いた作品は42点もあるようです。モネはつねに同じものを何度も何度も別の視点から描き、この世界の移りゆくとめどない世界を記録しようとしました。この絵も霧、その他あらゆる自然現象をなんとかとどめようとして描かれたものです。こういう絵をみてしまうと、シャーロックホームズの霧深きロンドンの夜、夜明けを思い出しますね。工場からでる煙のせいか、あるいは自然現象も相まってか、橋はかろうじて目にすることができます。橋の下を通る小さな船。ここには永遠性が感じられます。朝か夕方かわかりませんが、その霧の一瞬の変化を捉えることによってそこには普遍性と永遠性が記録されるのです。この絵の前に立つと少し肌寒くなったのを感じます。
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78、アンリ・ルソー《ポルト・ド・ヴァンヴから見た市壁》
税関使ルソーの素朴な絵です。他の作品と比べて非常に小さな作品です。しかし原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んで以降ルソーが大好きになってしまった私には彼が描いた絵と直接会うことが出来てとても感動しました。曇り空があまり快活さをあらわしません。ルソーにしては元気の感じられない作品です。人も申し訳程度に3人います。なだらかな丘がいくつもつらなっています。これは恐らく税関使として働いていたころ見ていた風景の一つではないでしょうか。決して美しい風景とはいえませんが、彼はこんな日常の風景に愛着を感じていたのでしょう。
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84、アンリ・マティス《赤い部屋》
写実と印象の後にはアンリ・ルソーに見られる素朴派やアンリ・マティスの野獣派(フォーヴィスム)が生まれました。彼は1869-1954で、この作品は1908年ですから中期の作品と呼べるでしょう。今回の目玉に一つであるこの絵画はマティスが新しいアトリエを持ったときに描かれたものです。180×220㎝ですからかなり大きい。しかもそれまでにあったキャンバスの企画から大きく外れる正方形に近い形をとっています。陰影や遠近法といったものを全て排除。しかし心象を描くのではなく見えるものをそのまま描く。この全体の基調となる赤とそれに対比して描かれる壁の模様、壷などの青が美しいです。彼はほとんど絵の具を混ぜません。原色のまま描くのです。そすして左上の窓の位置が絶妙。中心より少し低めにある黄色い果物たちのバランスもすばらしいです。この絵はまさしく完成した構図です。色彩もストレートで野獣的なのです。
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本当は全て何かしら一言はつぶやきたいのですが、まあ私は美術を読み解くのは専門ではありませんからこのくらいにしておきましょう。私が伝えたいところはただ、美しい絵が世の中には存在して、それを直に見る機会があるのだよということだけなのです。


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