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アンリ・ルソーを観る ルソー入門

ここ最近の私のブームはアンリルソーです。美術を愛好して止まない私ですが、はてアンリルソーってどこかで聞いたことがあったよなという程度にしか認識していませんでした。私とルソーとの出会いは次の記事で書くとして、ルソーに興味をもったので二玄社出版の利倉隆著『シリーズ イメージの森のなかへ ルソーの夢』を買いました。
ルソーの本名はアンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau, 1844年5月21日 - 1910年9月2日)、フランスの画家です。ルソーと聞くと大抵の人が思い浮かべるのが思想家のジャンジャックルソー。このアンリルソーは死んで100年ほどしか経っていませんし、未だ絵画の評価も定まっていない画家です。
この画家は写実主義から抽象画、シュールレアリスムへと時代が変化するまさに先駆者となった人です。交友のあった人間を挙げればとても偉大な人物であることがわかるでしょう。ピサロ、ルドン、ドガ、ピカソ、トゥールーズ・ローレック、コクトー、アポリネール、ローランサン等等。
素朴派といわれる彼の作風はまったくそれまでの絵画とは異なります。芸術という概念を覆すような大事業を行った彼、そのあまりに異様な、風変わりな作品は当時まったく相手にされませんでした。また、絵を描き始めたのも40代になってから。40の手習いということです。そこから「日曜画家」。或いはそれまでパリで税関の仕事を行っていたことから「ル・ドゥアニエ」(税関吏)ルソーとして広く知られています。

では先ず『蛇使いの女』1907年 油彩・カンバス 167×189㎝ オルセー美術館 から。
ルソーは一度もフランスから出たことのない画家でした。しかし、彼はその卓越した想像力、それはまさしく子供のような発想をもって未だ見たことのない土地、生き物、自然を想像して描いたのです。そこには美術学校で習うような技術だったり、ものの見方や、描き方などはありません。あくまでも自分の描きたいものを自由にかくというのが彼のスタンスなのです。
ですからこの絵も若干の遠近法のようなものも見えますが、ほとんど平面状の絵。陰影も殆ど観られずリアリズムは欠如しています。葉っぱは全てこちらを向いているし、まるで子供が描いたような絵です。
ただ、よくよく見ていると私たちはいつの間にかルソーの描いた森の中に足を踏み込んでいるのです。例えば葉っぱ。全部こちらをむいていてなんだか絵本のようなものですが、色彩はとても鮮やかです。ルソーが最も愛した色は緑です。その緑を少しずつ表現を変えながら全体として緑でまとまっているのですが、細かいところを観てみると極彩色のように豊かな表情がみられるのです。
彼の絵は今までどの評論家や批評家が言ってきたように神秘的です。実際にはありえない構図やものの描き方、それを全て想像で描いているのです。背後から煌々とまるで太陽のように光り輝く月。これは右上のほうに木々から垣間見える星々が夜であることを教えてくれます。その月光によって真っ黒に描かれる蛇使いの女。まったく表情が窺えないのにぎょっとするほどに眼光を放つ白い目。はっきりいって怖いです。それだけこちらに訴えかけてくる力がある。生命力のようなものを感じるのです。
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次は飢えたライオン 1905年 油彩・カンバス 200×300cm
いくつかのルソーの有名な絵画を論じます。これは最後の作品『夢』と並んでかなり巨大な作品です。
またタイトルの正式は「飢えたライオンはカモシカにとびかかり、むさぼり食う。ヒョウは分け前にあずかるときを心配そうに待っている。鳥たちは肉片を切りきざんでいるところ。そしてあわれな動物は涙を流している!太陽が沈む!」です。
彼はまたとても変わった人間としてもよく話題にされます。例えば友人アポリネールとまりー・ローランサンを描いたときのこと。『詩人に霊感を授けるミューズ』では詩人の花といわれるカーネーションを間違って他の花を描いてしまったとき。彼はそこを直そうとするのではなく、一からまったく同じものを描きました。またアポリネールを描く際、顔の寸法をきちんと測るというおかしなこともしています。
やはりそんなかなり変わった人ですから変わった絵を描くのです。どうしても注目してしまうのは鹿にかぶりついているライオンや沈み行く太陽ですが、この生き生きとした森には他にも動物が何匹も隠れているのです。肉片をくわえている鳥や、時期を窺うヒョウ。それから何か得たいの知れないもの、大きなクマのようにも見えますし、へんなクツバシがあるのでペンギンの大きいもののようにも見える怪物が左のほうに隠れています。
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眠るジプシー女 1897年 油彩・カンバス 129.5×200.5㎝ ニューヨーク近代美術館
ルソーの初期の作品です。この後に上に挙げた森を描く夢シリーズが始まるわけですが、この絵にはそれ以前の静かな空気が漂っています。ルソーが長年描いたモチーフに弱肉強食の生命の世界があります。それは後期の作品には殆ど観られるモチーフなのですが、ここがその転換期のように私は感じます。このジプシー女の後ろにいるのはライオンです。ただしここには弱肉強食の関係はありません。このライオンは女を食べるわけではなく、ただじっとそばに寄り添っているのです。
ルソー本人はライオンが女を食べないことを「月の光がとても詩的だったから―」と説明しています。利倉氏はこのライオンは夢見るジプシーの想像の産物であって優しいライオンなんだということを言っています。
一見するとなんともないような絵に見えるかもわかりませんが、ジプシーの虹色の服装や、作品に漂う空気感はやはりどうしても私にはかけないものばかりです。
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よく解説されています。興味を持った方はこちらを見てください。
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/rousseau.html

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はじめまして!

石野さん、はじめまして!

ルソー関連の検索から来たのですが、
記事の量、質に圧倒されました。

「蛇使いの女」「眠るジプシー女」と代表作ですね。
私もとても好きです。

また訪問します!
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