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短編映画『少年の橋』 感想とレビュー 父親殺しの話系

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制作国:フランス 制作年:2008年
たった15分ほどしかない短い映画なのですが、タッチが非常に優しくて御伽噺を絵本で見ているような感覚がします。TVか何かで得た知識なのですが、あの粘土を使ってアニメーションを作るってこの上ない大変な作業らしいですね。1分とるのに何日もかかるとか。私も長大な作品を作りますからある程度の根気や忍耐というものは持ち合わせていますが、流石にここまでは・・・。
ストーリーは回りを全て絶壁で囲まれた崖の上に暮らしている父と子の物語。地上に降りるための橋は何故か壊れています。しかし、ある日下にある町から花火があがり、町に降りてみたいと思った少年が実際に行ってみるというだけの話です。
おそらく言及されてはいませんが、このような辺鄙な場所に移り住み、陸との唯一のつながりである橋を壊したのは父ではないかなと感じます。どこか仙人のような感じがしていてそれでいて獰猛ななにかをかくしているような不思議な人物です。子供が下方に見える町の光などに目をとられたときには急いで目を覆い家に連れ戻すという行為をした父。町でなにか生きていけないような事情があったのかもしれません。
しかし、どうしても町に行きたい子供はある日ふとした事故で父を死なせてしまいます。こんなほのぼのした映画で急に人が死ぬのですから驚きました。寝耳に水の状態でしたからえっと戸惑いましたが、そこから少年の冒険が始まるのですね。
そうして結局は町に辿り着く少年。しかし町を一瞥するや否や急に踵を返して家に戻ろうとします。橋は崩れてしまったのでもう帰ることが出来ません。そうして終わってしまう映画ですが、何故あんなにも憧れた町をちらっと見ただけで興味がさめてしまったのでしょうか。
芥川龍之介の小説で確か芋粥という小説がありました。内容は芋粥が当時(平安という設定)非常に高価なものだったため下級役人の主人公がそれを飽きるほど食べてみたいと思う小説なのですが、その夢が実現したとたんに何の興味もなくなって結局一口も食べないというお話。この少年にも一種そのような感情が見てとれるのではと思いました。
また、町をみて幻滅した少年。家に帰ろうとします。もしここで帰れた、或いはどこか他の場所にまた新しい家を建てるとすれば、少年が父になり、そしてまた子供ができるというように、輪廻感のようなものも見ることができます。
たった15分の映画でしたが、そこに含まれるメッセージはとても強いものだと感じました。

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