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絵本『この手のひらほどの倖せ』 布施明 感想とレビュー 兄弟愛とは

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暫く振りの布施さんの記事です。今回は音楽ではなくて、本の紹介です。元々布施さんは歌詞も作るし、コンサートで行う一人ミュージカルは自分で脚本から作っています。そんな布施さんが書いた童話、絵本を今回は紹介したいと思います。
竹林龍二という昭和生まれの人間の半世紀、それを本人による一人称回想型の文体で綴られたものです。初めは布施さんのコンサートの中で朗読されていたものが、反響が大きかったために書籍化され、終いには映画化とまで発展しました。
布施さんもあとがきでヒール(悪役)は作らなかった、と言っているようにこの本は二人の幼い兄弟のヒューマンドラマなのですね。
昭和30年から40年代にかけてでしょうか、母が死に、父は東京へ出稼ぎに行って帰ってこない、幼い兄弟は祖父の下に静かに暮らしていました、しかし祖父は亡くなってしまいます。施設に預けられる兄弟ですが、お兄ちゃんはおじいちゃんは生きているんだといって弟を連れ出して会いに行きます。なんの用意もない小さな二人ですから途中でお腹がすいてどうしようもありません。たまたま木になっていた柿を取ろうとして石を投げたら、その家のおじさんが怒って出てきました。しかし、きちんと事情を説明するとおじさんはあれは渋柿だといって、甘い柿をとってきてくれて、もう片方の手にはばあさんに作らせた大きな大きな倖むすびをくれました。
田舎の夕焼けの鮮烈な印象が涙を誘う悲しくも暖かい物語です。誰も身寄りがいなくなってしまった小さな小さな兄弟が、それでもなんとか必死に厳しい世の中を生きていこうとする姿には胸を打たれます。悪役はいません。でもあえて言うとすれば彼らの運命、世の中が悪役なのかもしれません。夕焼けに染まる広い空のなかで、片手には柿をもう一方の手にはおむすびを。小さいはずなのに大きく見えるお兄ちゃんの背中にはそれでも背負うものが大きすぎたのです。薄倖なお兄さんの人生は一体だれがきめたのでしょうか。どうして最後に倖になれなかったのでしょうか。
特に大きな震災で家族を失った方が多いと思います。そんななか少しでも前に進む勇気、明日へ向かう希望、力を与えてくれるやさしい絵本です。

こちらは映画の方http://dreamonefilms.com/tenohira/
まだ観ていないのですが、キャストも充実していますし大切な方と観たいですね。

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