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日展 感想とレビュー 工芸美術に触れ合う  

日展の紹介も含めて自分の思ったところを人に見てもらおうと思って書いていたのですが、どうしても絞りきることが出来ずに2つに分けて書くことにしました。本当は彫刻も多少嗜みますし、書道も作品を制作している最中なので紹介したいのですが、霧がないので私の専門でもある工芸美術を取り上げます。
なんといっても工芸美術は立体ですからね。今まで2次元であった美が3次元になる。作品には触れちゃいけませんが、自分で作るなり了解を得るなりすれば触ることだって出来るのです。そうするとぐっと美術というものが身近に感じられますね。絵はよくわからないという方でもわかりやすいと思いますよ。
重ねて日展のホームページを載せておきます。日展

奥田小由女 「蘇れ生命(いのち)」。先ずはこれです。天使あるいは母そのものといっつてもいいでしょう。やさしい微笑をした女性が子供を掲げているその姿は無駄という言葉の介在を一切許しません。母と子としてみるとその髪はつながり、まさしく命をつなげるという象徴になるわけです。髪とはこの上なく重要な意味を持っていますね。イスラームでは髪を男性にみせることさえ躊躇われますし、そもそも神から授かった知識をつかさどる頭を守るものとしても重要です。私は神と髪の発音が日本語で一緒なのはそれなりの意味があると思っています。古来より言の葉、音を非常に大事にしてきた日本語では音が同じということだけで特別な意味を持ちます。もしかしたら日本でも髪と神は同じくらい重要なものとみなされていたのかも。
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大塩正義 「揺らぎの湖映II」。陶芸ですね。かたちがなんとも気持ちがいいではありませんか。曲がりすぎてもいなくてなだらかで、女性のような優しい丸みを帯びていますよね。色もいい。湖といっているのですから群青とも深緑ともいいがたい、それでいて明るい色味がたまりません。淵にかけてのグラデーションが地から水への境目となっているわけですね。器一枚で自然を映し出す。これが日本の芸術なのですね。
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大樋年朗 「飴釉金龍壺「足跡・MY WAY」」。これを観たときなんて力強い作品なのかと思いましたね。色もいたって簡単。こげ茶の丸みを帯びた壷に金の龍が描かれているだけ。でも何故か惹かれてしまいますね。例えばこの壷に松や千両、菊といった日本の植物を生けて見ましょう。龍がそこへ向かっていく姿がなんとも勇ましい。その場の雰囲気を変えてしまえるだけの力が篭った壷なのでしょうね。
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川本敦久 「風のすがた」。布ですよ。染めただけでこんなに美しいものになってしまうのですね。風のすがたとありますが、雲をイメージさせられますね。地平線がほのかに明るくなってきている、朝日でしょうか、それとも夕暮れか。これは絵ではかけない美しさを染めるという行為で見事に美しさを閉じ込めたという感じがいたしますね。これが壁にかかっていればそこはもう立派な地平線まで望める窓になるわけで、風を感じることもできるのですね。
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服部峻昇 「螺鈿飾箱 日月文」。国宝が出てきたのかと思いましたよ。ただでさえ美しい螺鈿。これを計算されつくした美しさにそってはめていく。日輪ですかね、万物の象徴太陽が表れ、金粉のなんと美しいことか。波立つ螺鈿の模様に合わせて箱の表面も波立っています。かなり複雑なかたちをしていますが本当にどうやってつくったのでしょうか。実に教えてもらいたい。側面もきれいですね。宇宙を表現しているのかな。
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宮田亮平 「シュプリンゲン「翔」」。東京芸術大学学長がお出ましということで、宮田先生の得意なイルカ、シュプリンゲンシリーズでしょう。昨日ラジオで宮田先生が出演されていて、「みんなが芸術家になる必要はないけれど、芸術を愛でる気持ち、これが大事なんです」と仰ってました。真にその通りだと思います。私は少し強硬な人間なので美しさのわからない人間は罪だといわせていただきましょう。しかし流石は芸大学長。その技量たるや衰えを見せません。イルカが群れを成して波に乗っている表現をこのようなかたちに出来る力、これがすばらしい。これ横から見ても何層にも重なった波が見えてきれいなんですけれどもね。
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向山伊保江 「廻・こしゆくもの」。最初観たときはなんだろうと思いましたが輪廻を表現したものですね。工芸の伝統的な技術七宝。その技術は宝石を作り出すものと称されるほどの美しさを持ちます。七宝によりつくられた輪廻転生の世界。もしもこんなに美しい輪廻ならば解脱をしなくてもよくなってしまいますね。色の配置が無造作で、それが人生の山あり谷ありを表現しているのでしょうか。
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日展はその作品の圧倒的な数とは反対に入場料はかなり安いので皆さんもどうぞ足を運んでみてください。どれもこれも新しいものですから古い知識に縛られることもなく自由に美と対面できるいい機会だと思います。

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