スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第43回日展 失われない日本美術の結晶  感想とレビュー

新国立博物館でモダンアートアメリカンと同時期に開催されていたのでもちろんこちらにもお邪魔させていただきました。こちらのほうが見たかった言えばそうです。ただ、一つ思うことが作品が多すぎて入りきってない感が出てしまう点がなんとも。それから膨大な、なんていっても新国立博物館の1階から3階までの全てを使用しての展示ですから、一日では回りきれない。
作品と作品との間も殆どなくせっかくのひとつひとつ優れたものが打つ消しあってしまっているようなごちゃごちゃ加減が・・・。
しかし作品そのものは本当にいいものばかりで、行く度に新しいアイデアを頂いています。
主な作品は日展のサイトで観ることができます。是非お勧めします。日展

先ずはこの方からでしょう。やりますな鈴木会長。年齢に反比例する彼の作風は今をもってしてもまだ上昇するのでしょうか。「朝の霧」という色彩の非常に耽美で静かな絵から始まる日展はここからその叡智が窺えます。
43-suzuki-chikuhaku.jpg

福田千惠 「今日、そして明日」。今回の日展のパンフレットの表紙にも選ばれた秀作。歌手の小林幸子さんをモデルとしたと聞きましたが、凛として美しい表情、立たずまいは本人のそれを超えているかもわかりません。黄色い光とのバランスがきれいに取れている静かな美を求めた作品だと感じました。
43-fukuda-senkei.jpg

川﨑鈴彦 「潮騒」。大先生ですが、まさに日本画と呼べるような古典的な描き方をしていますね。それでいてどこかモダンな。髭の生えた魚は鯉でしょうか、先生の茶目っ気たっぷりなかわいらしい絵です。かわいらしさと、日本の美。これを見事に合わせた技量は神業に近いでしょう。
43-kawasaki-suzuhiko.jpg

西洋画
小灘一紀 「花鏡(木花之佐久夜毘売)」古事記に出てくるコノハナノサクヤビメですね。花の神ですが、どことなく西洋風な感じもします。レースの質感といい、構図、あたりの暗さ、雰囲気どれをとっつても完全な美。この絵をみていると自分が描いているものがなんなのかよくわからなくなってきますが、しかしこれを目の前にしたら誰でも息を呑みます。
43-konada-ikki.jpg

池田良則 「陽だまり」。私はこれを誰かが隣でやっているモダンアートアメリカンから引っ張ってきたのかと勘違いしましたよ。西洋画ということで画材、技法はかなり似ていますが、ここまでモチーフを似通ったものにするとは確信犯でしょうか。おじいさんがかもし出す哀愁はキャンバスを越えて漂ってきます。
43-ikeda-yoshinori.jpg

小野大輔 「チョーク絵のある静物」。写真ですか、と開口一番に言いたくなります。だってチョーク使ってないでしょ。絵の具だもの。わけがわかりませんね。どうしてチョークで書いたように見えるのかな。
43-ono-daisuke.jpg

永田英右 「悲しみよ滞まれ」。これは私のかなりの一押しです。なんといってもこの写実の技量のすばらしさは郡を抜いています。タイトルにもありますが、一貫として悲しみが支配する世界。老人がマンドリンを持ち考えることは何なのか。悲しみよ滞まれですからね、作者の意思なのか老人の意思なのか。やっぱりこの絵だけ周りの空気が全然違ったのですよ。悲しいのだけれど重くない。どちらかというと大聖堂に入ったときの荘厳な雰囲気に似ていました。
43-nagata-hideaki.jpg

福井欧夏 「月の雫」。絵を飾ってあった場所がいまいち気に入りませんでした。こんなにも美しい絵が隅っこに追いやられていてびっくりしたのですが、妖精が地上へ降りてきてしまったような感じ。生きているのか死んでいるのか。寝ているのか、ないているのか。全体に悲しいイメージがありますが、それは非常に壊れやすくもろいものに対するときの心情でしょうか。レースの質感、今にも触れそうな世界なのに手がとどかない。心をかき乱してしまうのですがそれは常にこちらからの一方通行。儚さの結晶とでも言えばよいのでしょうか。
43-fukui-ohka.jpg

吉田伊佐 「雄流」。こうしてみると自分が写実主義がすきなのだなと感じますね。殊に自然を写実する。この行為自体が私は高尚なものだと感じます。自然とは何かを考えてみるとそれだけで小説がいくつも書けそうですが、この絵を見ていると白滝のサーという音が聞こえてきますね。周りは水によって冷まされた少し肌寒い温度でしょうか。
43-yoshida-isa.jpg

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

幽玄

Author:幽玄

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
201位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
15位
アクセスランキングを見る>>
フリーエリア
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。