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モダン・アート,アメリカン 展 感想とレビュー 近代絵画に心よせて

ずっと書こうと思っていたのですがなんだかんだで延びてしまいました。昨年の11月に国立新美術館で開催されたモダンアートアメリカンに行ってきました。
写実主義、印象派、シュールレアリスム、これらが一通り台頭した後の世界ですからそれぞれのよい点を受け継がれ、また芸術家たちにより新たな作意が見られる展示でした。モダンといっても100年ほど前の絵ですが、今みても全くその斬新さは衰えません。それどころかもっとみたい、絵を描きたい、という衝動を引き起こすほどの力を現在でも内在していました。
ダンカン・フィリップスによるフィリップスコレクション、その真髄が日本で見られるということは非常にありがたいことですね。こういうものはやはり足を運んで実物をみるということに意味がありますね。

芸術には然程詳しくない友人がちょっと勉強してみたいといって一人で足を運んでみたそうなのですが、その友人がとにかくほめていたのがエドワード・ヒックスの平和な王国。61×81とそんなに大きなものではありませんが、すごい躍動感があって3Dを見ているみたいだったといっていました。私は動物の愛らしい表情がなんともたまりません。
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私が特に好きなのは第4章として自然と抽象にあった作品群。私の作風も少なからず影響を受けているジョージア・オキーフによる葉のかたち。なにがすばらしいって言葉では表現し辛いのですが、色といい質感といいまさに最上の状態です。こんなものを実際に緑と白と赤のはっぱを持ってきて写真でとったってなんにも面白くはないのです。それをオキーフが目で見て感じて描くことによってこんなにも美しい抽象の世界へと昇華できるということがすばらしいのです。
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オーガスタス・ヴィンセント・タックの熱望。これは圧巻の一言。ブースを抜けて違う部屋に入ろうとするとはっと空気が変わるのがわかるようなすばらしい作品です。188×341とかなり大きな作品で、これが移動の途中から視界に入ってきて速く観たいと足が駆られてしまうのです。寒色の青をこんなにもふんだんに使っているのにまったく冷たい感じがしない。本当に日の光を浴びているような暖かさを感じますね。またこの模様のかたちも自然と不自然の合間をかいくぐったようで見ていてあきません。どうやってつくった模様なのだろうか、絵の具を乗せて自然に発生させたのか、自分で決めた線なのか、しばらく絵の前から動けませんでした。
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モダンアート・アメリカンというのですからアメリカです。アメリカといえば都市。100年前は高度経済の代表となったニューヨークですよ。ジョン・スローンの冬の6時。エドワード・ブルースのパワー。ニューヨークの摩天楼に雨上がりでしょうか、雲間から溢れる光が燦燦と照らしている。あるいは黄昏も過ぎて家に帰ろうとする人々を哀愁をもったやさしさで表現する。いつまでも観ていたいような、まるで自分がそこに立っている人々と同じ世界の人間のような錯覚すら覚えます。
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7章では記憶とアイデンティテーとして、グランマ・モーゼフのフージック・フォールズの冬がやはりすばらしい。どこかでみたことがあるのですがよく思い出せない。昔使っていたカレンダーかな。日本では見られない違った雪景色ですね。まるで童話の一場面のような趣にこれからどのようなストーリーが展開するのだろうと心弾みます。冬は寒いはずなのに何故か観ていると心が温かくなってしまうそんな絵ですね。
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個人的に最もすきなのが10章の抽象表現主義。サム・フランシスのブルー。マーク・ロコスの無題。ヘレン・フランケンサーラーのキャニオン。かたちと呼べるものはもうありません。しかしこの中に何を描かんとしたのか、またこれを観て私たちの感じるところはなんなのだろうか。探求が探求を呼びます。キャニオンはグランドキャニオンのことでしょう。父がアメリカに2年住んでいたことがあって家族で遊びに行ったときにはラスベガスを通ってグランドキャニオンにもいきましたよ。確かにあの自然のあまりに強い力を目の当たりにしてしまうと何かを感じないということは無理。ましてやそれが繊細な画家の心にどう響いたのか。写実的に表現してもしょうがなかったのでしょうね、たった2色を用いて表されたそれは非常に簡単なものにみえますが、それ故いくらでも解釈がうまれるし考えれば考えるほど奥深いものです。
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