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あの頃の誰か 東野圭吾 感想とレビュー 短編ミステリ バブルに帰りたいひとのミステリー

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えーようやくのことで東野圭吾デビューを果たしました。今まで読もう読もうと思いながらもなかなか読めなかったので、東野さんと短編集から入門です。
シャレードがいっぱい
ここではまさに時代背景がバブル真っ盛り。ある資産家の遺産を巡って兄弟、姉妹、親戚の人間やらの欲望が渦巻き渦巻き。しかし事態が変わったのはその資産家に隠し子がいたということ。主人公は資産家の親戚にあたる男の彼女で、そろそろその男にも飽きてきたし、お金もそんなにもっていなさそうだから分かれようとした矢先にその男が何者かによって殺されます。
思わぬごたごたに巻き込まれる主人公、しかしこの謎解きは自分がやらなければならないと感じたときに八方塞だったのが次第にもやが薄れていくように。非常に短い推理小説ではありますが、時代背景なども違和感無くとても面白い作品です。

レイコと玲子
雨のなか一人の少女が傘をさしています。そしてある男が近くの公衆電話に来たときに、その少女は男をナイフで刺し殺しました。こんな恐ろしい情景描写から始まるミステリー。
一方で記憶喪失の少女を発見した主人公加津子は昨夜の殺害事件と少女との関係を調べ始めます。短編ですからスラスラと謎が解けていく、この爽快感はたまったものではありません。少女がレイコという名がわかり、自宅もわかり、その隣の人間との関係もわかり、そしてどうして記憶喪失になったのかが解き明かされます。実は記憶喪失ではなく多重人格だったということ。これが大事なのですね。
そして凶暴なほうのレイコはまったく無関係な人間たちの思惑によって男性の殺害をさせられたという不幸な事件だったのです。
全てが終わりやっと平穏が訪れたと思われた時分、主人公加津子とその婚約者との会話がなんとも奇妙な終わり方をします。元の人格の玲子が出ているように思えるけれども実はレイコが玲子の真似をしているだけだったらどうするというもの・・・

再生魔術の女
ある子供が出来ない夫婦に、不幸にして生まれてきてしまった子供たちを斡旋するという職業の女がこの小説の進展を決定します。対するは根岸という男。赤ん坊をもらったあとでの二人の会話で構成されます。
実はこの根岸という男以前に当時付き合っていた女を殺めていたのです。そしてこの再生魔術の女こそ当時殺された女の姉だったのです。老婆の語りはとても静かながら恐怖を与える口調で淡々と語り継がれていきます。そしてさっきやった子供は、妹が殺されたときに残っていた精液を採取して冷凍しておいて、自分が生んだものだと告白します。
あまりにおそろしくなった根岸はその後自殺してしまいますが、実際はそこらへんの女子高校生が生んでしまった男の子だったとか。

さよなら「お父さん」
ある飛行機の墜落事故で助かったのはわずかな人数。主人公の男は、飛行機に乗っていた妻と子供が事故に巻き込まれました。二人ともなんとか機体からは運び出されたものの、妻は意識を取り戻すことなく死んでしまいます。そして意識を取り戻した娘、しかしその娘の喋り方は亡き妻そっくりでした。そして妻の精神が娘の体に移ってしまったことを知った二人、しかし誰も信じてくれまいと秘密にして生きていくことを決意します。
この作品は私の一番のお気に入りです。なくなった妻が娘の姿で実は生きている。娘は死んでしまったが、その分も生きていかなければと二人はが頑張ります。次第に大きくなっていく娘(妻)、小説は一気に何十年も先にまで飛び、いよいよ娘の結婚式。男はあいての男性を二回なぐります。一つは娘の分で、もう一つは他の人の分だといって。

名探偵退場
これは一見シャーロックホームズとワトソンのようだった名探偵のその引退後の話です。なにもすることがなくなって暇になった命探偵ワイクは自分が今まで解決してきた難事件を書籍化しようとします。
物語はそこから、かつて解いた最大級の難問と瓜二つの事件が舞い込んできます。何十年ぶりの大仕事に勢いづく二人。しかしこれからいよいよ名推理を披露というところで心臓発作で倒れてしまいます。起きたときには助手のマッシュが、ワイク様は屋敷に赴く前に車の中で倒れられたといってすべては夢の中での出来事だといいます。
次第に現実だったのかよくわからなくなったワイク、以前解決したと思っていた事件も本当にその推理があっていたかどうか自身を失います。結局は全て芝居だったという話。以前解決した遺族の人々が書籍化されて個人情報が流出するのを恐れたためにマッシュと手を組んで行ったことだったのです。

眠りたい死にたくない
これはあまり面白いとは思いませんでしたが、ある男がデートに誘われたはいいものの睡眠薬を飲まされ、気づいたときには犯人に仕立て上げられていたというもの。はっと目覚めたときにはもうどうしようもない状態だが、ここでなんとか逃げださにと犯人に仕立て上げられた後に殺される。しかし薬も飲まされているしねむい、でも死にたくないというもの。

二十年目に約束
主人公亜沙子はその夫である清水と結婚するものの、その結婚の条件は子供を作らないことというもの。しかし、海外への転勤で、海外生活も一年というころに終にノイローゼになって亜沙子は自殺を図ります。
清水はこれを機に一度日本に帰り子供のことについて話そうと切り出します。どうして清水が子供を作りたがらないのか、夫をつけて謎が解けていくというミステリー小説です。
謎は20年前の約束が全ての原因だということがわかります。20年前悲惨な事件があり、ある少女が殺害されました。その少女とその日遊ぶ約束をしていた清水ともう一人の友人は、雨が降ったためその子への連絡は相手がするだろうと高をくくってしまいました。しかし結局連絡をしなかった二人。少女はそのあと通りがかった犯人により殺害されます。殺害された少女の親をみて育った二人は、自分たちに罰として子供を作らないようにと約束していたのでした。

どれもショートとして簡潔にまとまっていてよいものだと思います。誰もが言うことですが本当に東野さんの小説は流れるように読めますね。これも一日そこらで簡単に読めてしまいました。最近ではミステリーがブームとなっていますが、これは明らかに東野さんの影響が大でしょう。もう少しかれの作品を楽しんでみたいと思います。

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「あの頃の誰か」東野圭吾

メッシー、アッシー、ミツグ君、長方形の箱のような携帯電話、クリスマスイブのホテル争奪戦。あの頃、誰もが騒がしくも華やかな好景気に躍っていました。時が経ち、歳を取った今こ...

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No title

先日は、ありがとうございました。
こちらにもトラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

Re: No title

藍色さん非常に読書がお好きなようで感服いたします。
これからも本を読む喜びや楽しみを一緒に伝えていきましょう。
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Author:幽玄

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