10万アクセス突破記念 感謝とこれからの目標

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 御蔭様で2013年8月11日をもちまして、総アクセス数が10万を突破しました。まことにありがとうごじます。まあ、このカウンターちょっと不正確なところがありますので、本当はもうすでに10万アクセスを越えているのでしょうけれども、ここで一応ひとつの節目として感謝の意を表したいと思います。10万アクセスっていうのは私はあまりインターネットに詳しくないのでわからないのですが、でも相当すごいことなのではないかと感じています。どこかの売れないアイドルよりは認知度が高いのではないですかね。
 このブログはちょうど初めて二年になろうというところです。このブログは大学一年生のとき、ノイローゼに陥りかけていて、どうにかしないとまずいなと思い、小説などを沢山読んでいたのでじゃあ、その感想文でも載せてみるかという思いつきで始まりました。よろしければ過去の記事をちらとみてみてください。今現在もそうですが、今よりもなお稚拙な文章、子供が書いたみたいです。
 それで、せっかくブログをやるのだから、自分が読んだ作品、触れた作品の備忘録とどうじに、文章も鍛えられたらいいなと思い、継続してきました。二年生時には最も充実していたと思っています。ほぼ毎日、平均で3000字から4000字を書く。ただひたすら書く、この行為がかなり文章作成力の向上につながったと感じています。私は、高校時代までは一年に本を五冊も読めばいい方で、読書感想文は苦手中の苦手。夏休み最後の日になって、課題図書が読めていないと泣き喚くしまつでしたが、それがどうでしょう。漱石の小説と出会って、こんなに面白いものはないと驚愕してからは、毎年百冊を超える読書量。そうして、ブログをはじめてからは毎日何千時も書きつづける修行。これらによって、大分文章力も、論理力も、知識も増えて来たと思います。我ながらよくもまあ、こんなに続いたものだとびっくりしていますが、やはり継続は力なんですね。二年前は、一時間ふんばっても、1000字くらいを書くのが限界でしたが、今では、書きたいことがわかっていれば一時間で4000字くらいは楽にいけます。
 これまでに書いてきた文章は100万字を越えます。やっぱりそれくらい書くと大分かわってみることです。なんだか簡単に作家になろうとか、記者になろうとか言う方が所属している学科がら私の周りには多いのですが、まあ、とにかく書いてごらんよ、そんなに簡単なことではないよと言いたくなります。
 ですが、もちろんただ書いているだけではつまらない。やはり自分が書いたものを見てもらいたい、何かコメントしてもらいたいという気持ちがありました。それでブログを始めたのですが、やはり最初のほうは全然来てくれる方が少なくてこちらもやる気が起きない。時にはなんだかこうやって馬鹿に書き続けている自分が愚かしくなってきてしまうということもありました。ですが、徐々に徐々にいらしてくださる方が増えてきて、拍手やコメントを残してくださるようになった。やはりいくら修行のためといえど、人間のこころは弱いですからそれを支えてくれるものがないといけません。みなさんのおかげでずっと書き続けることができました。感謝申し上げます。

 最近は小説の勉強だけに限らず、ソシュール系の記号学や、そこから発展した構造主義などの理論的な勉強もしはじめました。哲学も少しかじっています。目標としては、文学畑から出発して様々な評論をしていきたいので、ルネ・ジラールやロラン・バルトのような評論家になりたいと邁進しています。
 常にラディカルな思考と洞察力をもって、批評し続ける精神が大切だと思っています。最近、私はどうしてこの世界に、この時代に生まれて来たのかななんてことをよく考えるのですが、やはりそこには意味があるだろう、意味を持たせたいと思うのが人間です。私は自分にはきっと自分にしかできない使命があるだろうと思うようになり、それがひとつには批評をつづけることなのかなと思い始めています。ですから、私ははっきり言えばみんなの邪魔ものです。君たちが信じているもの、いいと思っているものは、本当にいいの?良いものだって言いきれるの?どうして?こんなみかたも出来ない?と議論をふっかけてくるのですから、まあ嫌なやつですね。面倒な奴だ。だけれども、やはり時代は、平等主義、個人主義の時代が到来しています。
 今の日本は本当に生きるのに辛い、息苦しい国になってしまいました。これは、平等主義、個人主義が展開してきたのにもかかわらず、展開しきれてない部分、かなり中途半端な部分があるからだと思います。なおかつ最近では、かなり日本は右翼化してきています。教員を目指す関係上、教育基本法なども勉強しているのですが、2007年に改定された条文を過去のものと比較して見ていると、個人の権利よりも、国家の権利が優先されるような雰囲気がそこには潜んでいます。私はやはりそういうものは違う、過去へ逆行しているようにしか思えません。
 私にしてみれば、一体いつまでお子様のようなことをやっているのだと本当にため息がでてしまいます。全世界中のことです。自分のことばっかりしか念頭にない。私は断固「核」には反対です。あれはオーバーテクノロジー、人間の扱ってよいものではありません。いつまでも、そのような危険なものを核の抑止力だとかなんとか言って保持している。原発も廃止。どうしてあのような危険で、実際に事故を起こしてしまったものをまだ使用しつづけようとするのか、その精神というか、感覚が私には全く理解できません。便利?便利ですか?この世界が?いいえ、まったく。電気が足りなくなるということが言いたいのでしょうか。なくなったならその方がいいじゃないですか。生活の質を落としますよ。もう無駄なことばっかりで、本当に嫌気がさしてしまう。私はこの文明と呼ぶにふさわしくない文明に対していつまでも批判の眼を向けますし、シニカルに評論していきます。
 これから多様性が尊ばれる時代です。そのなかで、武器を誇示しにらめ合っているというのは、もう幼稚園生以下のやること。実際は簡単なのです。全世界のみんなが一斉に武器を手放せばいい。いつまでも武器で相手を脅したり、攻撃したりという前時代的なものからは脱却しなければならない。いつまで戦争やっているの?人間はもっと高みを目指すことができます。
 最近ではSNS関係が発達してきて、日本の若者の大切な時間を無作為に搾取している。本を読み、人間と対話し、考える時間はすべて、平易で内容のない一面的な情報の海に飲み込まれてしまいます。メールはもはや時代遅れかもしれません、ライン、ツイッター、フェイスブック、オンラインゲーム、その他もろもろ、若い人間の大切な時間を無価値なものへと変換させる最悪のツールです。便利?本当に便利になりましたか?私にはそうは見えないのだけれどなあ。私はPCは使用します。しかし、携帯は使用しない。家にいるときには、PCを使用します。しかし、外に出たらそうしたタブレット端末は必要最低限しか使用しない。電車にのっているときは本を読む。私の携帯はインターネットにつなげないような契約をしていますから、外ではツイッターもなにもまったく見れない。別に困ったことなどありませんよ。友人と集合がうまくできなければ電話は使用できますしね。
 私は、自分と同じ年代の、同世代の人間たちが、文明と言えない文明の利器によって時間を搾取されているのが無念でたまりません。その時間、本を読んだらどれだけ考えが変わることか。あるいは観方がかわることか。友人たちは口をそろえて言います。便利だと。本当ですか?私には掌の上にあるどうしようもない機会に縛られて、時間を搾取されているだけにしか見えないのですが。そこからは小さな快感がえられるのでしょう。友人たちとつながっているという快感。私も、たしかにブログを書いて賛同されればうれしい。そのために書いているということも時にはあります。しかし、いつまでもそればかりが目的ではいけないと思うのです。

 私にはこれから二つ、やりたいことがあります。一つは今述べたように批評、評論をさらに発展、展開させていくこと。それからもう一つは小説を描くということです。これからは、この二年間の修行によって培った能力を活かして、さらなる邁進を図りたいと思います。そのためブログのほうは以前よりは少し更新が滞ることになるかもしれません。ですが、もちろんこれからも作品の感想や分析といったものも挙げて行きますから、今後ともどうぞよろしくお願いします。皆様の御蔭でここまで続けられてきました。重ねて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。

美術館でお昼ご飯

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 美術館というと、なかなか入りにくいといった印象をお持ちの人も居るかもしれません。ですが、大丈夫。美術館に入る目的は、別に展覧会を見る以外の目的でもOK。実は素晴らしい休憩スペースとして使ったりもできます。人はいないし、静かだし、読書をするには最高の環境ですよ。
 今回は、普段私が足を運んでいる美術館の、別の愉しみかたをご紹介したいと思います。なんだか、最近ネットではこんなことが言われています。中二病、高二病につづいて、大二病というようなものもあるようなのですが、そこでは「やたら美術館に行きたがる」みたいなことが項目に乗っていました。しかし、そんなことを言う連中のことなんか放っておけばよいのです。むしろ、どんどん美術館に行きなさいと、私は叱咤激励を込めて同世代の若者たちに言いたい。芸術は人間の心を救ってくれると言う偉大な側面もありますが、しかし多くの人々が守ってあげないとすぐにだめになってしまう繊細なものでもあるのです。日本はまだまだ芸術方面に関して貧相な考えしか持っていない国です。海外では国家予算がおおきく割り当てられ、若い芸術家の育成にも力がそそげられているなか、日本は芸術をやっている人間を遊んでいる人間として、どこか軽視する傾向があります。そのような状況というのは近代国家として恥ずかしいと私は思います。是非、多くの人が、少しずつお金を払ってくれることによって芸術業界は成り立っていきますから、よろしくお願いします。別に芸術方面の回し者ではありませんよ、僕は。
 さて、美術館の愉しみ方の一つに、お食事ができるということがあります。美術館でランチなんて、とても素敵な響きがしませんか。美術館のレストランなどというと、高いというイメージがあります。実際高いところもありますが、意外とそうでないところもあり、ランチなら千円ちょっとでおいしいレストランの食事が楽しめます。

上野編
 一番のおすすめは、日本が誇れる美術館、上野の国立西洋美術館です。ここのレストランは、展覧会を見なくてもだれでも自由に入れます。時間によっては少々並ぶことがあるのですが、割と早めに回転しますので、読書でもしながら気長にまちましょう。ここのレストランは、西洋美術館が所蔵するモネの睡蓮かな取り「すいれん」という名前です。フレンチです。一番スタンダードなのは、ランチコースで2000円以内で収まります。学生の私たちにはそれでも少し高いですから、私がおすすめするのは一品料理。カレーやパスタもありますが、なんといっても、840円のオムライスが絶品。これなら私たちもそれほど無理せず入れます。カフェという側面もありますから、コーヒーだけでもいいですし、ケーキなどもやや高めですが楽しめます。 http://www.nmwa.go.jp/jp/shop-cafe/cafe.html
 この記事を読んでくださった大人な方には、向かいの東京文化会館のレストランや、上野のもう少し奥へ行ったところにある東京都美術館でのお食事もおすすめします。すこし高級になります。
 西洋美術館にいきなり入るのは怖いと言う方は、さらに少し歩きますが、東京芸術大学のキャンパス内にある美術館のカフェがおすすめです。こちらも展覧会とは別に入れるのですが、すこしわかりづらいので、気を付けてください。入ってからずっと奥に行くとトイレがあります。そこの先に階段がありますから、そこを登っていくとカフェがあります。逆行するようなかたちですので、ちょっと行き辛いですが、慣れれば大丈夫。ここは当然、大学のなかにありますから、どれも安価。2000円を超えることはありません。

六本木編
 六本木は高いお店が沢山あって、学生の私にとっては怖い怖い。なかなか開拓が進みません。誰かつれていって!六本木は、主に国立新美術館、六本木森アーツ美術館、サントリー美術館の三つが大きな美術館になっています。森アーツと、サントリーのほうは、様々なお店が入っているビルですから、お食事処もたくさんあります。ですが、もう美術館ではないのでそれは割愛します。おすすめは、国立新美術館の中のレストラン。国立新美術館には、カフェ、レストランが合わせて四つもあります。各階一つずつ。一階にあるのが、カフェ。ここではサンドイッチ程度しかおいていません。専ら休んだり、飲み物をのむ程度。おすすめは、地下一階のレストラン。「カフェテリア カレ」。ハッシュドビーフやパスタ、スープなどをお手頃な値段で食べられます。二階には、カフェ。三階には本格レストランがありますが、いずれも私たち学生では行けませんので、誰か連れて行ってくださいね。
http://www.nact.jp/restaurant/03.html#link2

雑記、最近行った美術館やコンサートの感想 ~2


前回の記事の続きです。

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プーシキン美術館展 フランス絵画300年 並びに横浜美術館コレクション
 9月16日まで横浜美術館にて開催中。
 この展覧会はまだまだ夏の間開催されていますから、もし私の記事を読んで興味を持たれれば行くことをお勧めいたします。横浜美術館というと、東京に住んでいる私にはちょっと遠いなあなんて思っていたのですが、渋谷ヒカリエのオープンとともに大分電車の乗り継ぎが楽になったようで、渋谷から30、40分くらいで行けました。横浜にはあまり足を運んだことがないのですが、以前、通っていた学校がミッション系だったということもあり、横浜と外人みたいな視点で見学に行った記憶があります。大人になりましたから、いろいろと見学してやろうと思っていったのですが、美術館を見て、図録を買ったら重くてとても歩けなかったので帰ってきました。こんどは是非攻略したい。
 横浜美術館は日本が誇れる西洋式の建物だと思います。日本の美術館はどれも建物にあまりこだわりがないのか、観ていて面白いものが少ないです。上野の建物は赤レンガが特徴だったりしますが、私としては今一つといった感じ。六本木の黒川紀章先生が設計した国立新美術館は面白いですね。横浜美術館は、堅牢な西洋建築といった感じ。重厚感あふれるシンメトリーの石造りの建物です。
 プーシキン美術館はロシアの美術館。ですので、ロシアの絵画がやってきたのかなと思っていたら違いました。ロシアが集めたフランス絵画のコレクションでした。あれ~おかしいなと思ったんですが、仕方ありません。フランスの約300に及ぶ絵画の歴史がわかる美術展となっていました。
 古典主義、ロココ時代からはクロード・ロランやシャルル・ル・ブラン、ユベール・ロベール、グルーズなどがやってきていました。ロベールは、以前上野の西洋美術館でロベール展に行ったのでその時のことが思い出されました。グルーズはあまり有名な画家ではありませんが、『三四郎』で漱石が言及したことによって、漱石研究者のなかでは有名です。先に書いた漱石展にもグルーズの絵が何枚か飾られていました。
新古典主義、ロマン主義、自然主義からは、ドラクロワやカミーユ・コロー、ミレーなどが来日。この時点で、18世紀は宗教画や人物画が多かったのが、次第に自然や風景の絵が多くなってくることに気が付きます。
 19世紀後半、印象主義、ポストモダンからはマネ、モネ、ルノワール、ドガ、ロートレックら、お馴染みの画家たちが集結。今回のパンフレットを飾ったルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』は、特に夢見るような女性の微笑みが美しかったです。セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、モーリス・ドニなども集まっていて、その点では豪華絢爛なメンバーが集合していました。私に限らず、日本人はみんなこの時代のフランス絵画が大好きですから、随分お客さんも沢山いましたよ。
 20世紀、フォービズム、キュビズム、エコール・ド・パリからは、マティス、ピカソ、アンリ・ルソー、ローランサン、シャガールなど。私はこの時代のパリが大好きなので、とても興奮して鑑賞しました。特に、去年山本周五郎賞を受賞した、原田マハの『楽園のカンヴァス』という素晴らしい作品を読んでからはアンリ・ルソーにはまっていまして、ルソーの『詩人に霊感を与えるミューズ』が来日していたのでびっくり。日本でこの絵と対面できるとは思っていませんでした。相変わらず不思議な絵でしたが。
 もちろんプーシキン美術館に行けば、もっと多くの作品が見られるのでしょうけれど、この展示会ではある作家の作品よりも、できるだけ多くの作家の作品を集めたと言う点に主眼が置かれていたように思われます。ちょっとばらばら過ぎるという感じもしましたが、集まっている作家は豪華絢爛。それはそれでバラエティーに富んで面白かったです。

 それで、この展覧会のチケットを購入すると同時に常設展のほうも鑑賞できます。横浜美術館は初めてだったので、どんなコレクションがあるのかきちんとチェックしてきました。なかでも驚いたのが、ギュスターブ・モローの『岩の上の女神』。とても小さな絵画ですが、この絵が横浜美術館蔵だったとは知りませんでした。とても素敵な絵です。現代人の感覚でみると、どこかキャラクターを描いたアニメチックな絵にも見えます。しかし、やはり絵の深みというか、力が違う。本物を前にしばらく心を釘づけにされて佇んでいました。
 他にも、セザンヌやピカソ、ブラック、レジェ、カンディンスキー、エルンスト、ダリ、マグリッドなど、名だたるシュールレアリストたちが大集結。セザンヌは違いますがね。日本の美術館は、本当に美術館自体が所蔵している作品の数も質も貧相で困ったものなのですが、ここの横浜美術館はかなり作品収集に手を入れているのだなということが感じられました。どれも、財閥の人間が集めていたものだったようですが。
横浜美術館は結構気に入りました。今度また別の展示会があった際には足を運びたいと思います。


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善竹狂言会
 海の日というとみなさんはどのようにお過ごしになるのでしょうか。海に行くのですかね。でも、わざわざせっかくの休みの日に人でごった返していて、しかもあまりきれいではない海に行きたいと思いますかねえ。若いうちはいいですけれどもね。かくいう私もまだ若いのですが・・・。しかし、そうした日には是非文化的な生活を、というのが私のモットーでございます。
 直接関係があるわけではないのですが、私の大学の国文学科の卒業生で、狂言師の方がいらっしゃいます。私の友人が狂言研究会ということろで活動をしているのですが、その友人を介してその狂言師の方とお会いしたこともあります。大学の先輩にあたりますね。私も誘われたのですが、結局狂言研究会には入りませんでした。私はあくまで演じる側ではなくて、見ている側でいいですかなね。まあ、そんな関係があるものですから、毎年恒例の海の日に行われる善竹狂言会には三年連続で鑑賞しに行っています。もちろん、その狂言研究会に師匠として来てくださる先生も、善竹狂言会では狂言師として登場します。
 狂言というと、どこか難しそうな、眠くなってしまうようなものというイメージがありますが、そんなことはありません。歌舞伎にしろ、実際に行ってみてみるととても面白いことがわかります。特に狂言は、歌舞伎よりもファニーの要素が強い。短い話のうちに、なんどもなんども同じ言葉、行為の繰り返しがあり、いわゆるお笑いの世界でいう「てんどん」がなされます。もう、観客はげらげらわたってしまうようなものです。難しさで言ったら、能、歌舞伎、狂言の順でしょう。能は仮面をつけて舞ったりしますからなかなか難しい。それに付け加えて戦闘シーンなども入る歌舞伎はよりファンタスティックです。狂言は、悲しいお話もあるのですが、ファニーなお話も多い。大人になると結構な値段がするのですが、学生は3000円でオッケー。一流の芸術をたった3000円で見られる機会はほとんどありません。来年もまたやりますので、これもおすすめの演劇の一つです。

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毎日書道展
 最後は毎日書道展。私は今年、書道の教員免許をとる関係上、大学生にもなって書道をやっています。もう一度最初から、姿勢、筆の持ち方などをやりました。意外とこの歳になると新鮮で、きちんとやってみようという気持ちになります。また、私の場合は自分の作品にも書道の要素を取り入れた作品を制作したりするので、いい勉強にもなります。
 それで、書道の先生の作品も出展されているということなので行ってきました。場所は六本木の国立新美術館。残念ながら東京での展示会は終わってしまいましたが、毎日書道展はこれから全国を回って展示会が開かれますので、地方の方は近くにやってきた際に行ってみると良いかもしれません。
 書道なんて何が良いんだみたいなことを言う方は沢山いますけれど、やはりこれも実際行ってみると考えが変わりますよ。と私は思うのですが、変わらない人もいますかね・・・。漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字と四つもの表記を使い分ける国というのは日本くらいしかないようです。それだけ日本人は言葉に対して敏感なわけです。漢字にしようか、ひらがなにひらこうかと、たった一文を書くだけでも考える。さらに、文章への愛着といったものは、言葉をつなげて書く際の美しさへもむけられます。どうしたら文章がより視覚的にも美しくなるのか。千年以上の年月をかけて、連綿というひらがなをつなげて書くことや、漢字をつなげて書くこと、または崩してみたり、省略してみたりということを洗練してきました。文字自体を芸術の領域まで高めたのは漢字文化だけです。ローマ字やアラビア文字にも、カリグラフィーはありますが、カリグラフィーで展示会というのはなかなか開かれません。いまだに芸術作品とまではいかないような気がします。
 書道展に行くと、日本人の言葉に対する愛、繊細な心やりといったものが見えてくると思います。書を見る際の観点は、一に、文字、二に墨、三に筆勢だと私の先生は仰っていました。その先生は専門が篆刻なので、先生のにはそれ応用できないじゃないかと思ったりなんかしたのですがね。文字の形や墨の色。筆勢というのは、筆の流れというか、気のようなもの、これが途中で途切れているとやはりみた時に素晴らしいとはならないものです。こうした点から見る。ほかにも空白の使い方だったりとか、絵具をつかっているのもありますから、総合的な判断が必要になってきます。
 まあ、なかにはシュールレアリスムなのかわかりませんが、墨を垂らしただけみたいなのもあります。そういうのはよくわかりませんが、墨の色がきれいだなとか思ったりしています。ただ、作品が多すぎるので、全部みようとすると疲れて仕方がありません。場所をしぼってじっくりみるか、さっと全体を見るのかといった感じになってしまいます。同じ券で何度も入れるようにしてくれればいいのですがね。でも面白いですから、書道の展覧会というものもおすすめです。

雑記、最近行った美術館やコンサートの感想 ~1

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 熱いなか、みなさんいかがお過ごしでしょうか。最近更新が滞り、相済みません。まあ、毎度のことなのですが、体力がないので大分夏バテしてやられております。胃腸の調子が・・・・・・。みなさんもくれぐれも暑さにやられませんようお気を付けください。ちなみに、このバテをなんとか解消しようとして、先日石野のエナジードリンクを考案しました。リンゴ酢大匙壱に、はちみつ大匙弐、それをお好みの濃さになるまで水で割って飲むというものです。これを飲むと、少しは元気になりなんとかなっています。おすすめします。
 昔は熱心に、一つの美術館展に行ったら、それに対する感想文をずいぶん長く書いたものですが、最近はちょっと他にもやることがあるので、軽く、エッセイ風に書きたいと思います。
 いまだに疑われている節がありますが、私は大学生ですので、先日やっと夏休みになりました。7月中は、通年科目だけなのですが、けっこう頑張って試験をやってしまう教授が多かったもので、最後の最後まで気が抜けない状況が続いておりましたので、やっと息を抜ける状態になりました。

 ここ一カ月、結構美術館などの文化的な行事に多く行ってきたものですから、その感想を書きたいと思います。
一つ目は「夏目漱石の美術世界展」
 私は一応近現代の文学が専門でして、なかでも漱石を専門に研究しています。漱石の作品には、高校の時にはまったく読み飛ばしていましたが、かなりの美術品が登場します。大学になり、美術館に良く行くようになってから再び読み返すと、漱石の美術への造詣の深さというものが伺えて来ます。漱石と美術作品は切り離せない仲ですが、そんな漱石が言及している作品を一堂に介したのが、この展覧会です。東京芸術大学のキャンパス内にある美術館で、開催されました。この展覧会は7月7日で終わっています。
 展覧会の内容は、漱石が作品内で言及している作品をできるだけ並べ、漱石がどのような作品を好んだのかがわかるようになっています。また、漱石は留学体験を通じて、フランスのアールヌーヴォーにいたく感銘を受けたようです。漱石自身、弟子や友人に画家や彫刻家が多く、それらの友人に学んだりしてよく絵を描いていたようです。漱石展の後半では、漱石自らが描いた作品が数多く描かれていました。作風は、もっぱら和風で、テンペラをつかったようにはっきりとした色合いを、掛け軸上のものに描くといった感じでした。
 展覧会では、そうした漱石が好んだ作品と、漱石が描いた作品、それから漱石の近辺の人間の作品の大まかにわけて三つの分野がありました。また、後半には、美術にうるさい漱石が自分の本の装丁のために描いた作品も出展してありました。それを見て思ったことは、今の文庫本は並べてみたってちっともその本の味わいというものがありませんが、当時は本自体が一つの作品になっていたのだなということです。現在でも、ハードカバーになるとそれぞれ趣向を凝らしたようなものがありますが、当時は小さな本にも愛情をこめて、作家が一冊一冊世に出していたのだなと思い、これは現代にも復活させるべき価値観なのではないかと思いました。
 この展覧会の最後、私はこれで感極まって涙してしまったのですが、なんと漱石のデスマスクがありました。デスマスクを知らない人に簡単に説明すると(おそらく西洋の文化なのかな?)、死に顔を石膏に写し取ったものです。漱石先生が死んだ際に、弟子の友人が彫刻師で、その人に頼んで型を取り、それをもとに復元したのがデスマスクです。漱石の死に顔の原寸大の像がありました。髭や髪のあとだけでなく、皺までくっきりとよく取れた型でした。意外と漱石は小顔でしたよ。ですが、どうにも五十とは思えない、相当苦労をした顔のように私には感じられました。あと、怖い話ですが、漱石の脳は帝大に保存されているとか・・・・・・


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二つ目は、音楽。〈N響「夏」2013 東京公演〉です。
 私、先日成人を迎えたような若い人間なのにも拘わらず、最近の曲はまったくわからずに、専ら80年代、90年代の曲ばっかりきいているような人間なので、私がコンサートに行くとなった場合はクラシック、コンサートのようなものになってしまいますね。同世代の人間と音楽の話ができなくて少しさびしいのですが、布施明のライブとか行ってしまう人間ですからね・・・・(そういえば、布施さんご結婚おめでとうございます)・・・。
 まあ、今回は父親と二人仲良く鑑賞しに行ったのですが、かなり素晴らしいコンサートでした。
指揮はアンドルー・マンゼ フルートをエマニュエル・パユ
曲目は
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/フルート協奏曲 第二番 ニ長調 K,314
フォッブス/モーツァルトの「魔笛」による幻想曲
ベートーヴェン/交響曲 第三番 変ホ長調 作品55「英雄」
 いずれも、音楽に素人である私でも知っているような有名な曲ばかりでした。今回は、有名な指揮者、アンドルー・マンゼと、フルート奏者、エマニュエル・パユをN響に招いての公演。
 アンドルー・マンゼは私が今までに見たことのないくらい、情熱的な指揮者でした。特に休憩をはさんだ後、最後の「英雄」では、小一時間、うでをふりふり、体中全体を使って情熱的な指揮を見せてくれました。まだ五十ちょいくらいの方ですが、残念なことにはげてしまっています。その頭をゆでだこのように真っ赤にさせて、ちょっと脳溢血かなにかでぶっ倒れてしまわないかと見ているこちらが心配になるほどの激しさでした。流石に、ナポレオンを讃える曲を演奏するにはこのくらいの覚悟が必要なのでしょうかね。対して、フルート奏者のエマニュエル・パユはどちらかというとエレガントな男性。少々でっぱっているお腹に眼がいきましたが、とても美しいフルートの音色でした。
 私は初めてNHKホールに行ったのですが、会場右にある、日本でも有数のパイプオルガンがすごかったです。是非今度はパイプオルガンが使用される時にも行きたいなと思いました。私はミッション系の学校を出ているので、讃美歌などに詳しいのです。ですから、パイプオルガンの演奏には結構詳しいのですが、あんな大きなものはそうありません。あのパイプオルガンが鳴ったらどのような音を出すのかと想像したら興奮しました。
 帰りは、渋谷で父と仲良くお食事を。くじらを食わせる店と台湾料理とどちらがいいかということで、台湾料理の店に行ってきました。父が若い頃に来たということですから、何十年ぶり。しじみを食わせる店で、なかなかおいしかったですよ。少々高かったですがね。麗郷(レイキョウ)というお店です。


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三つめは「レオ・レオニ 絵本のしごと」展。
 渋谷Bunkamuraで開催されました。この展覧会ももう終了してしまい、今現在はたしかレオナール・フジタの展覧会になっていると思います。
 レオ・レオニは皆さんも小学校のころ読んだことがあるであろう、「スイミー」を書いた人です。文も絵も両方レオニの作です。日本ではそれを谷川俊太郎が訳したものが教科書に掲載されています。ちなみに、レオニの作品はそのほかも多くが谷川俊太郎の訳で翻訳されています。すばらしい日本語です。
 みんなが赤い魚のなか、一匹だけ黒く産まれてきてしまったスイミーという魚がいて、それが食べられてしまった話・・・うそです。鮫かなにかに襲われた時に、黒いスイミーが目の部分になり、群れで一つの大きな魚にばけて敵を追い払ったという感動的な話ですね。
 レオ・レオニは、1910年オランダ生まれですが、イタリアで第二次未来運動に参加、その後39年にはアメリカに亡命と、どこの作家とは言えないような様々な国の文化の影響を受けている作家です。画家でもあり、彫刻家でもあり、絵本作家でもあります。展覧会では、彼が描いた絵本の原画の多くが展示されていた他、絵画や彫刻作品も数点展示されていました。
 彼の絵本に共通する内容は、いずれも個性というものを描いているという点です。花を持ち、半目でこちらを眺めているフレデリックというネズミのキャラクターを彼は愛しましたが、そのフレデリックの話というのがとても面白い。アリとキリギリスの話に似ているのですが、キリギリス側のフレデリックは、皆が冬に備えている間に、実は言葉を集めていたということで、食料が尽きてから詩人フレデリックがみんなの心を豊かにしたという、アリとキリギリスの反対の話になっているのです。
 レオ・レオニは非常に人生のなかで、芸術家になるまで、なってからも苦労した人間で、社会における芸術家の意味、みんなと違う個性の重要さといったものを常にテーマとしています。スイミーも、みんなと違う魚のことを描いていますね。この展覧会では、今日本人が危機に直面している個性というものを考えさせられたと思います。
この展覧会は絵本がメインということもあり、美術館にはありえないほど子供がたくさんいました。途中、展覧室の真ん中には、絵本が集められており、そこには子供がたくさん!一生懸命絵本を読んでいる子や、走り回っている子など、ずいぶん活気にあふれた美術展でしたよ。こういう美術展も時にはいいものです。で、せっかくなので、夏休みに入っているということもあり、私は小6の妹とその友達の女の子も一緒初に連れて行ったのですが、小学校六年生でもずいぶん楽しめたようです。
 小6の彼女たちがわかっているかどうかは微妙ですが、レオ・レオニの絵本には、大人になった私からみると、かなりアイロニーというものが込められているのではないかなと感じました。ネズミのフレデリックにせよ、芸術を理解できない大衆に対して、どこか高みからふっと笑っているような、達観した部分があるように感じられます。そうした部分をレオニは一寸皮肉を込めて描いたんだなと感動しました。フレデリックの大衆を少し馬鹿にしたキーホルダーを付けて、私も今少し馬鹿にしつつ外出しています。お気に入りのマスコットキーホルダーです。
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